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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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67 地下からは脱出です1

「こっちだ。」


ウォーレルさんの背中の上でディーさんの声を聞く。

広間から通路に出ると、まだそこだけは崩れていないようだった。

こちらはランプも無事だが、土煙が漂っているために

向こうまでは見渡せない。

そこで、ディーさんは倒れている敵を見て言う。


「出来ればこいつらも連れて帰りたいところだが、

さすがにこんな状況でそんなことは言ってられないな。」


それからディーさんは全員を見る。

僕を背負ったウォーレルさん。

女の子を背負うチェルミナさん。

念のため、持っていたナイフはディーさんのポーチの中だ。

母、ネロさん。

全員が視線で応える。


「今からここを脱出する。

通路は一部壊れてこんなんになっているが、

まだトラップは生きているかもしれん。

必ず俺が通ったところをついてこい。」


そうして来た道を戻っていく。

時折壁が崩れてレンガが散乱していたり、

崩れ落ちたのか、はたまた落とし穴が誤作動したのか

床にぽっかり穴が空いていたりする。

まだ何かが作動しているのか定期的に響く重い音。

その中を急いで駆けていく。


角を曲がり、瓦礫の山は魔法で足場を作って乗り越え、

完全に道がふさがってしまっているところは

別ルートに移って進んでいく。




「っと危ねえ。」


丁度通ろうとしたタイミングで崩れてくる壁。

前に跳びつつ、向かってくる瓦礫を剣ではじくディーさん。

盾を使って防ぐウォーレルさん。

女性陣は氷の壁を作って身を守っている。

少しして崩落は収まった。


「全員怪我はないか?」


皆が無事を伝え、移動を再開する。




そうして進むこと十五ミニ、

危ない場面もあったが、無事にアジトの入り口に到着する。


そこには……


「お父さんとフリッツさん?

どうしてここに?」


「アヤト、メアリー、無事だったか。」


「はい、あなた。それで……第二陣ですか?」


「ああそうだ。この向こうにいるのだが……」


そう言って後ろの壁を指さす父。

仕掛け扉のあったところだ。

父はスイッチのところに移動して、操作するが……

扉はうんともすんともいわなかった。


「俺たちが先に入ったところで地面が揺れたと思ったら

急に閉まってな、それからは見ての通り、全く動かなくなった。」


そう説明する父にディーさんが言う。


「そうか、閉じ込められたってことか。」


「いや、まだ他にも出入り口はあると思うぞ。

ここみたいな隠し扉は封鎖されているだろうが、

多分一つは出られるところがある。」


「どうしてそんな事が言える?」


「だって、恐らくここは王城の地下構造部だろ。」


さも当然のように答える父だが……


王城?


父以外全員の目が点になったのであった。

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