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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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63 アジトは地下です4

男の言葉とともに一斉に襲いかかってくるローブの奴ら。

それと同時に長髪の男まで仕掛けてくる。


「ちっ、そっちは頼んだ。死ぬなよ。

それと、出来るだけ殺すなよ。」


「そぉんな、あまちゃんなこと言ってていぃんでぇすかねぇっ。」


ディーさんは打ちかかってくる男の迎撃に出る。

こちらも僕を中心に囲い、全員が攻撃をさばいている。

圧倒的に前衛の数が足りないと思っていたが、

母とネロさん、チェルミナさんは

戦闘用魔導具に標準装備されている上面装甲を使って対応しているようだ。


キンッキンッと金属が打ち合わされる音が鳴り響く。

周りでは母達が、多数の敵を相手に果敢に戦っている。

そんな状況で何も出来ずにただ守られているだけの自分を歯がゆく思い、

今まで練習してきたんだし一人ぐらいなら相手出来るかもと

前に出ようとするが、


「アヤト、ダメ。私たちで十分守り切れるから

危険な事はしないで。」


と母に制止されてしまう。

それならせめて、と周りの状況把握に努める。


ウォーレルさんは左手の大きな盾で相手を受け流し、はじき飛ばし、

右手の剣を振るう。


チェルミナさんは魔導具の装甲で敵の武器を受け止め

そこで小規模な爆発を起こして吹き飛ばす。


ネロさんは近づいてきた敵の武器を叩き落とし

それを拾って使ったり、蹴って相手に飛ばしたりしつつ

魔導具による砲撃をたたき込んでいく。


母は両手に持った魔導具で氷の弾幕を作り出して

そもそも相手を近づかせない。


こちら側の敵は道中の三人組よりも弱いようで対処出来ている。

あっ、母がまた一人戦闘不能にした。

ディーさんの方は、拮抗しているようだ。


片方が折れている双剣で長髪の男のカットラスと打ち合うディーさん。

深く踏み込んで左の短くなった剣を縦に振るう。

それを男は身を引いて躱し、カットラスを横薙ぎにする。

ディーさんは右手の剣で防ぎ、

その剣を前にスライドさせて男を突きにいく。

身体を回転させて避ける男。


「ははは、片方のけぇんは入りぃぐちの男にやられたんでぇすかぁ。」


「っるっせえ。」


動きを見ていると

ディーさんはどうやら隙を突いて

女の子を確保しようとしているらしい。

しかし男も手練(てだ)れで、わざと隙をみせて誘う動きまでしている。

そのためなかなか踏み込めないでいた。




地下で壁についているランプの明かりを頼りに戦うこと数ミニ、

ローブの半分程が倒れた頃


「そこだっ。」


息もつかせぬ連続攻撃で男を大きく後退させていたディーさんは、

ついに女の子の元にたどり着いた。

そのタイミングで、母が氷弾の一部を長髪の男に向ける。

援護を受けたディーさんは

女の子を抱えて僕のところにやって来る。

そして女の子を下ろして言った。


「坊主、この子の事を見ていてくれ。頼んだぞ。」

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