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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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57 移動先は地下です2

ディーさんは水路、ネロさんは壁、

そして僕は地面を調べていく。

古いレンガで出来ていて汚れなどもあり、

さらに薄暗いためなかなか手がかりは見つからない。

ディーさんとネロさんが持っているランプで

照らされている範囲から順に調べてはいるが……


「あれ?」


「どうした?坊主。」


「ここのレンガの形がおかしい。」


見つけたのは壁際の地面、そこだけ他のところとは違い

レンガ二つ分をくっつけたような正方形のレンガがはまっている。


「でも、押すことも引くことも出来ないし

どうすれば良いんだろう?」


「うーん。また別の仕掛けがあったりするのかもな。

とりあえず他に何か無いか探してくれ。」


「わかりました。」


そして、調査を続ける。


十ミニ後、他に何も見つからず諦めかけていたそのとき、

ディーさんが声をあげる。


「これだっ。」


流れる水の中に手を入れて何かをする。

すると、どこからかゴゴゴッと小さな音が聞こえた。


どこだ?


ネロさんとディーさんは辺りを見回している。

心当たりがあった僕はその場所に駆け寄る。

そう、例の正方形のレンガだ。

さっきまでレンガがあったその部分には

ぽっかりと穴が空いていて、その奥、

中央に何かのスイッチであるかのように

出っ張りがあるのであった。


「ディーさん、これ。」


「ああ、多分それを押すと隠し扉かなにかが開いたりするんだろうな。

一応罠という可能性もあるにはあるが、その可能性はかなり低いだろう。」


「どうして?」


「罠だったら、こんな二重スイッチみたいな

回りくどい真似はしないだろう。

罠は敵を引っかけてこそなんぼのものなんだからな。」


「なるほど。

じゃあ、押しますね。」


「ちょっとま――」


ポチッとな。


ゴゴゴゴッと重い音が響いて、

目の前の壁が横に開く。

その先には壁にランプの付いた通路が伸びており明るい。

そして、通路にはこちらを向いて目を丸くしている男がいた。


「やべぇ。」


そう言って、男に向かって駆け出すディーさん。

男は焦って剣を抜こうとするが、

その前にディーさんが当て身を食らわせる。

すると、男は気を失った。


気を失った男を担いで一旦通路の外、水路に戻る僕たち。

そして、通路に戻ったところで


「坊主っ、なに考えてんだっ。」


僕はディーさんに怒られた。


「今回はなんとか対応できたから良かったものの、

俺たちの準備は整って無かったんだぞ。」


「ごめんなさい。」


「これからはちゃんとリーダーの指示に従え。

じゃないと、自分だけでなく仲間の命も

危険にさらすことになるぞ。」


今後は絶対に勝手な行動はしないようにしよう。

そう心に決める僕であった。

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