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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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54 犯人は潜伏中です5

「どーも、こんにちは。

今日はいい天気だな。」


「あ、ああそうですね。

そっちは娘さんか?」


「まあ、そんなところだ。」


男の元に向かったディーさんは至って普通の会話を始めた。


「それで、こんな辺鄙(へんぴ)なところへ何の用で?」


「ちょっとギルドで依頼を受けていてな、

ここを調べようと思っていてな。」


「そんな小さい子を連れてか?

冗談はやめてくれよ。」


「これが冗談じゃねぇんだよな。

こいつ結構腕が立つんだぜ。

っとそうだ、あんたは四歳ぐらいの

女の子を連れた男を見なかったか?」


「そんな奴はあんた以外には見てないな。

そもそも、ここに来る人なんてそうそういないぞ。」


「おっと、そういえば俺も今は

少女を連れた男になってるのか。忘れてたぜ。はっはっは。」


「娘なんだろ、しっかりしろよ。」


「今のは冗談だ。じゃあな。」


そう言って地下水道へ入ろうとするディーさんとミリアちゃん。

そんな二人の背中に


「へぇ、そうかい。気をつけろよ。

もし、悪い奴らがいたら襲われるかもしれないからな。


……こんな風に。」


男は斬りかかる。

まずいっ、狙われたのはミリアちゃんだ。


焦った僕が見たのは、

後ろ向きのまま右手でミリアちゃんの腕を引っ張って

男の剣を回避させ、その勢いのまま左手で

腰の剣を引き抜き一閃するディーさんだった。

男は跳び退いて躱す。


「ちっ。やるなおっさん。」


「そりゃ、おまえが怪しい奴と話していたところから

ずっと見ていた奴がいたからな。

そいつから話を聞いたし、警戒もするわ。」


お互いに隙をうかがいながら会話する二人。


「やっぱり、あの人つけられていたんですね。

契約条件に無いし、こっちを見ているだけだったから

放置していたら……やっぱり手抜きするとダメですね。

こんなギルドの実力者が出てくるなんて。」


「俺を知っているのか。」


「そりゃもちろん。今回の最重要警戒対象ですよ。

去年ははめられたらしいですけど。」


腕はいいけど頭の方はアレなんですかね

とクツクツ笑う男。


「ちっ、ごちゃごちゃうるせえな。」


「ええ、そりゃこうでもしないと

隙なんてつくれないからなっ。」


と、刀を打ち込む男。

それを左手一本で迎撃していくディーさん。


「やっぱり強いですね。

ところであっちに隠れている三人は参加しないんですか?」


言い当てられ、ドキッとする。


「気付いてやがったか。

奇襲してもらう予定だったんだがな。」


「おお、恐い恐い。

……しょうがない、そろそろ本気を出しますかね。

全員で掛かってこないと

そこの二人、死にますよ。」


そう言って納刀する男。


なぜここで武器をしまう?


ディーさんも警戒しているようで動かない。

男はそのまま腰を落とす。

そのときミリアちゃんがつぶやく。


「……ま…魔導具。」


男がニヤリと笑い、その右手を振るう

その瞬前、ネロさんが撃ち出していた炎弾が

男の立っていたところに着弾した。


土煙で隠れる三人の姿。


「やったか?」


そして盛大にフラグを立ててしまうネロさんであった。

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