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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
55/141

53 犯人は潜伏中です4

職人街の横道に入って魔導具店の前を通り、

左に入り……と複雑に曲がった先で

僕たちが見つけたのは……


ネロさんだった。

なにやら曲がり角の先の様子をうかがっている。

建物の陰から先を見ているようだ。


こっちに気付いていないようだから声をかけよう。


「ネーロさん。」


「うわっ。」


彼女は驚いた後、


「シー」


険しい顔をしながら、

上に伸ばした人差し指を口に当てる。


そんなネロさんに声を潜めてディーさんが尋ねる。


「ネロさんはこんなところで何やってるんだ?」


「ああ、ディーか。

ちょっとこっちに来て見てみろ。」


そう言って手招きするネロさん。

それに従って、路地の先を見ると、

一人の男が座っていた。


「あれは?」


そう聞くと、ネロさんは語り出す。



遅めの昼ご飯に出かけていたネロさんは、

少し前にこの辺りに戻ってきたらしい。

自分の店に戻ろうと歩いていると、

フードを目深(まぶか)にかぶった人が

周りの様子をうかがいながら歩いていたそうだ。


なんか怪しいな、と思ったネロさんは

その後をつけることにした。

すると、フードの人はここまで来て

この先にいる男と何か話していたそうだ。


そして、地下水道へと入っていったらしい。

地下ではなにがあるか分からないので、

とりあえず地上の男を見張っていたところなのである。



「そのフードの人ってのは一人だったのか?」


「ええ。一人だったわ。」


「そうか……別件か?

でも地下水道か……」


「ディー、別件って?」


「ああ、実はこっちもある事件の犯人を探していてな。」


そう言って、こちらの状況を説明するディーさん。


「それで、もしかすると地下水道に

隠れているかもという結論に至ってここに来たわけだ。」


「なるほど。だったらみんなで地下に行かない?

一人じゃ危なそうで追いかけられなかったのよ。」


「そうだな、こっちも人が足りないところだからな、賛成だ。」


ということで、

ネロさんが仲間に加わった。


「さて、まずはあの男をなんとかするところからか?」


「そうね。」


「じゃあ坊主、嬢ちゃんを借りていくぞ。」


「なんで?」


「俺だけで行くより相手の油断を誘えるからな。」


「なるほど、でもミリアちゃんは大丈夫?」


「……うん。」


「ミリアちゃんがそういうならしょうがない。

ディーさん、危険な目に遭わせたら許しませんよ。」


「はははっ。分かった分かった。

本当に嬢ちゃんのことが好きなんだな。」


「なっ、なに言ってるんですか。

行くなら早く行ってきてくださいっ。」


「はいはい。」


にやにや笑っているディーさんは

ミリアちゃんを連れて、

男の元に向かうのであった。

累計20000pv超えました。

いつも読んでいただきありがとうございます。


ここらで近況を。

十月に入ってから友人と会う機会が増えました。

話していると、どうやら私の友人も小説を書き始めたようで

十万字書きためたら投稿すると言ってました。

さて、ここで私の書きためはと言うと……


なんと0字。


つまり出来たてほやほやな訳です。まあ見切り発車もいいところだったので(汗)

どこかの休日で書きためようと思ってはいるのですが……

そんなわけで誤字脱字等あると思いますが、優しく見守っていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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