表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
53/141

51 犯人は潜伏中です2

コンコン

……

コンコンコン

……

ドンドンドン

……


……返事がない。

ただの空き家のようだ。


じゃなくて、


「どうします?ディーさん。

ネロさん出てきませんけど。」


「出ないなら仕方ない。

ここで時間を浪費する意味も無い。

次行くぞ。」


「はい。」


僕たちは別の路地に向かうのであった。




少しして、結局手がかりが掴めなかった僕たちは

集合場所に移動していた。

他の二組も戻ってきたようだ。


「レン、そっちはどうだった?」


「全くダメだったよ。ウォーレルさんの方は?」


「……全然だ。」


「そうか……

ここまで目撃情報が無いとするならば東にいる可能性は薄いと

判断せざるを得ないか。」


そう言うと、考え込むディーさん。

地面を見ると建物の影が長く伸び始めている。

もう二アワもすれば陽が落ちるだろう。

早く見つけなくては。


「しょうがない。東は俺だけにして、

おまえら四人には北と南に向かってもらう。

ウォーレルとチェルミナは北地区を東側から、

レンとテレスは南地区を探してくれ。

それとレン、ギルドに寄って東地区では

証言が見つからなかった事を伝えてこい。

それと、なにか新しい情報が無かったかどうかの

伝令も頼んでくれ。」


「わかりました。じゃあ行ってきます。」


「日が沈んでから大体一アワ後にギルド集合だ。」


駆けていく四人を見送っていると、ディーさんが言う。


「メアリーさん達は戻りますか?」


「人手も足りないようですし私は残ろうと思っているのですが……

アヤトとミリアちゃんはどうする?」


「僕はついていく。」


「……行く。」


「らしいです、ディーさん。」


「分かった。ただ、この地区の捜査は

もう行き詰まっているんだ。

だから、なにか少しでも気になったこととか

思いついたことがあったら言ってくれ。」


みんなで考える。

そういえば……


「ディーさん、そもそも公都に隠れる場所なんてあるんですか?」


「ん?そうだなぁ……あれ?思いつかねえぞ。

犯人が公都民なら自宅っていう手があるが、

それ以外だと倉庫か空き家ぐらいしかないけど

倉庫は頻繁に人が出入りするから無理だな。

空き家の方もこのまえ議会が発表していたが、

片手で数える程しかない上に、かなり厳重に管理されてる。」


「じゃあ犯人はどこに?

公都の外?」


「いや、それはない。ほら公都は壁に囲まれているだろ。

外に通じるのは、西、南西、南東、北東の大通りの

終端にある関所からだけだ。

事件があったという情報がギルドか騎士団に

伝わったら最優先で関所に伝令が行くからな。

だから、犯人が公都の外にいることは考えにくい。

そうなると、本当にどこに隠れているのやら。」


そして皆で頭をひねる。

そこに、


「ギルドです。暁の旅団のディーさんですね。」


ギルドの伝令さんがやってきたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ