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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
52/141

50 犯人は潜伏中です1

広場でレンさんが言う。


「ディーさん、どこに向かいますか?」


「うーん、犯人は北に逃げたようだし

北地区か……いや、東地区に回ろう。」


「どうしてですか?」


僕は聞く。するとディーさんはこう答えた。


「まず、今は北地区で学会が開かれているだろ。

それの警備で今日は騎士団が北地区の巡回をしているんだ。

犯人からするとそんなところに潜伏したくは無いだろう。

しかも、さっきギルドで先に出たパーティーがいるって言ってただろ。

多分そいつらは北地区を西から捜索しているはずだ。

だから、俺らは捜索の穴になりそうな東地区から探すんだ。

南も西も人が多くて、潜伏しにくい地区だから東からだ。」


「そういうことですか。」


みんなもなるほどと頷いている。


「東地区ですね。分かりました。

主人が帰ったら伝えておきます。」


そう言って、ミレナさんが別れる。

そして……


「時間が惜しい。行くぞ。」


ディーさんの言葉をきっかけに、僕たちは捜索を開始するのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


目撃者がいないかどうか、聞き込みをしながら移動すること三十ミニ。

一つも目撃情報が無かったのは

果たしてディーさんの読みが外れたのか

犯人が熟達しているからか。

僕たちは職人街の入り口にいた。


「ここまでは、なにも情報が無かったか……」


そうディーさんがつぶやく。

そのディーさんにチェルミナさんが聞く。


「隊長、ここで聞き込みする?

それとも引き返す?」


「うーん。見逃したら厄介だし、しばらくはここを捜索するぞ。

ウォーレルとチェルミナ、レンとテレスの二人一組で店の人に聞き込みをしてこい。

俺らは職人街周囲の人の聞き込みに行く。

三十ミニ後にここに集合だ。」


「「「「了解。」」」」


そうして全員が行動に移る。


「こっちだ。」


そう言うディーさんについていく。

職人街を少し外れた裏道に入っていくようであった。




「四歳ぐらいで銀髪の女の子を連れた人達を見なかったか?」


「いんや、見てないね~。

なにかあったのかい?迷子かい?」


「まあそんなところだ。

ありがとな、おばちゃん。」


こちらに戻ってくるフリッツさん。


「やっぱりダメだった。ここまで情報が無いとなると

東にはいないのかもしれないな……

まあ、とりあえず集合までの十ミニは続けていくぞ。」


依頼の解決って地道なものなんだな

と思いつつ横を見ると、見たことのある店があった。

ここは……


「ディーさん、ここの店主に聞いていってもいい?」


「ここ?……おい坊主、誰からここが店だって聞いた。」


「昨日、父とフリッツさんと来た。」


「あいつらっ。

……はあ、時間もないから追究はやめよう。

まあ、ここの店主ならもしかするとなにか掴んでるかもな。

聞いてみようか。」


僕はフリッツさんの許可を得て魔導具店の、

ネロさんの店の扉を叩いたのであった。

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