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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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47 三日目は特訓です1

「全力で打ち込んでこい、坊主。」


「はい、ディーさん。」


右手を握って拳にし、腰の横につける。

左足は前に右足は後ろに、ディーさんに対して半身に構える。

右足で地面を蹴り、同時に重心を前に移動しつつ左足を前にずらす。

そして、右足を踏み出すと同時に構えた拳を打ち出す。


バシッ。


「おお、なかなかいい感じじゃないか。

始めて一年だったか?」


僕の拳を右手の平で受け止めたディーさんが問う。


「はい。ワーウルフの事件のあとから父に教えてもらってます。」


「そうか。毎日練習を続けていたんだな。

基礎はある程度出来ているな。」


そう言ってディーさんは何か考えるように目を閉じた。


公都に来て三日目、僕はギルド本部併設の練習場で

ディーさんに体術の稽古をつけてもらっているのであった。


なぜこうなっているのかというと、

まず父が学会での発表日であり不在である。

そしてフリッツさんが父の関係者枠で学会の傍聴に行っているのである。

そのため、父は昨日偶然会ったディーさん達

暁の旅団にギルドの案内を頼んだのだ。


そして今日、僕と母、フーシア、

ミリアちゃんとミレナさんの五人でギルドに来て、

ディーさん達に案内されたまではいいのだが、

練習場を見ているときに、


「そういえば坊主は格闘術をやってるんだったか?」


「はい。」


こんな受け答えをしているうちに

じゃあ特訓をしてやろうという話になり、

なんやかんやで今に至るというわけだ。


ディーさんは剣術から棒術、弓術に体術など多くの技術を

学び、身につけているらしい。


「いいか、今の打ち込みだが

踏み出したときに腰をひねることをもう少し意識しろ。」


「了解。」


「それと、右手を構えるとき手首を上に曲げてみろ。

それで、打ち込む瞬間に伸ばすんだ。

足で蹴り出した勢いを拳に乗せろ、いいな。」


「はい。」


言われたとおり右手の拳を九十度立てて構える。

そして……


ズバンッ


「いてて。よしいい感じだな。」


右手を振りながらディーさんが言う。

こうして、特訓を続けていくのであった。




「休憩よー。」


向こうで練習していた赤い髪のチェルミナさんが声をかけてくる。


「もうそんな時間か。」


「そうですよ、隊長。アヤト君も。

二人ともすごく集中してたんだから。」


そう話していると、全員集合する。

そういえばミリアちゃんは何をしていたんだろう?

そう聞くと、どうやら基礎体力をつけるために

走ったり、怪我をしにくくするために柔軟をしたり、

いざというときのために回避運動の練習をしていたらしい。

そういえば、フリッツさんがあまり外に出してくれなかったせいで、

体力が足りないんだっけ。


まったく、フリッツさんは。

そんなことを考えながら、

昼食をとるために都に繰り出すのであった。

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