表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
47/141

45 公都の中を散策です9

見渡す限り、本の壁。

これが第一印象であった。


さて、公都に来て二日目の午後。

僕たちは公都北区の図書館に来ていた。

入り口から入ってすぐ、

貸し出しカウンターの前で父が話し出す。


「これが公都立図書館だが、どうだ?」


「本が……すごく……たくさん。」


ただただ圧倒されてこんな陳腐な感想しか言えない。

一階だけでもこれなのに、二階と三階にも同じように開架があり、

地下一階~地下三階まで閉架書庫が広がっているらしい。

あ、そうだ……


「お父さん、魔法について書いてある本とかってあるの?」


「おお、あるぞ。ただ、魔法の専門書はもちろん

入門書まで閉架書庫のほうにあるから、

カウンターで頼まないと読めないぞ。

頼んだとき一応年齢確認されるからな。」


へぇ~、やっぱりこういう公的施設とかだと

ちゃんと条例を守ろうとしているんだな。


「アヤトは他に気になる本とかあるか?」


「う~ん、特には無いかな。」


「そうか。」


「そういえば、この図書館の本って

どこにどの本があるかの分類ってされてるの?」


日本では十進分類法とか使われてたはずだけど、

こっちではどうなってるんだろう。


「一応分けられてるな。

例えば、右にあるあの棚から先は文学系だな。

それで、あっちの奥にあるのは歴史書だ。」


「なるほど。」


「ミリアちゃんが読んだっていう、

『双盾のお姫様』は文学の棚だな。

……読むか?」


「いやべつにいい。」


「うちのミリアが読んでたものを読めないだと。」


フリッツさん、ささいな事で突っかかってこないでいただきたい。

さすがに図書館の中だということもあって、

そのあとは特に何も言ってこなかったが。


「お父さん、本って借りられるんだよね。」


「ああ。だけど、最初に利用者登録をしなくちゃいけなくて、

これがまた時間がかかるんだ。ひどいときには二アワ以上かかる。」


「なんでそんなに時間が?」


「身元がわかってないといろいろ不都合が起きるからな、

登録のときにはギルド登録とか学籍とかそういうもので

身元の照会をしているんだ。これに時間が掛かってるんだな。」


「なるほど。」


「もうそろそろ、次に行ってもいいか?」


そして三人でまた北区の路地に出るのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ここら辺から大学だな。」


「えっ?ここが?」


まわりを見ても門も無ければ

柵とかの仕切りも無い。

変わった形の建物はちらほら見えるけど……


「ここ、公国立ベルバリア大学はその敷地と路地が一体化してるんだよ。

あの白い建物は経済学部棟だし、あっちの茶色いのは戦闘戦術学部二番棟だな。

ちなみに、研究棟は地下にあったりする。」


「へぇ~。……それって迷ったりしない?」


「新入生が迷子になるのはよく聞くな。

俺も大学に入ったときなったぞ。

フリッツもな。」


「ああ、うちの伝統だからな。」


伝統なのかよっ。

思わず突っ込んでしまう僕であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ