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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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41 魔導具店主は知り合いです

「さて、アヤト君。オスカーから魔法については習ったんだね。」


「は、はい。」


ネロさんから話しかけられるが、

答えに突っかかってしまう。

だって、眼光が鋭いんだもん。

恐い、恐い、恐い。


「私、怒ってるわけじゃないのにな……。

やっぱりこの眼のせいか……。」


と若干シュンとしているネロさん。

うっ、なんか罪悪感が。

そう考えると緊張が解けた。


「大丈夫ですよ、その目も含めてネロさんきれいですし。」


そうフォローする。

あれ?僕はなんでナンパ男みたいなことを言ってるんだろう?

なぜか複雑な気分に陥っていると、

急にネロさんが抱きついてきた。


「ありがと~。

や~、アヤト君はいい子ね~。

魔法研究バカのオスカー教授の息子にはもったいない。

気が利くし、優しいし、可愛いし。」


可愛いって言うなっ。僕は男だっ。そして放せっ。

彼女の腕の中でもがくと、


「ごめんなさいね。」


ようやく解放してくれた。

村でも昔そんな扱いを受けていて、

最近それも無くなってきたというのに、

勘弁してくれ。


「それで、魔法の話に戻すけど、

アヤト君は特性の解析はもうしたの?

魔力色は?」


……まりょくしょく?


僕は首をかしげる。


「オスカー教授?」


ネロさんが父を睨み、

父は目をそらす。

このやりとりは一体?

と思っていると、ネロさんが説明してくれた。


「アヤト君は、魔力については聞いた?」


「はい、波だと。」


「そう、それで魔力波特性については。」


「それも聞きました。」


「オッケー。

で、その魔力波特性を測る時なんだけど、

測定する道具は魔力波を光に変換して、

それで特性を調べるのね。

この変換された光はそれぞれの人の特性によって

いろんな色になるのよ。

これが魔力色。

例えば、オスカー教授は紫だし、フリッツは緑ね。

アヤト君は虹は知ってるかな?」


もちろん知っている。

発生原理も。

まあその原理は置いておいて、

知っていることを伝えると。


「なら話は早いね。

虹って外側の赤から内側の紫まで色があるでしょ。

普通は魔力色が紫に近づけば近づく程、

その人の持つ魔力のエネルギーは高くなると言われているんだよ。」


そばにある魔導具を見て、なでながら続ける。


「まあ、エネルギーが高ければいいって物でも無くて、

魔力色が紫に近いほど魔導具の動作が不安定になりやすいから、

その人用の魔導具の調整は難しかったりするんだけどね。

って四歳の子にここまで深く話すことは無かったか。」


「いやネロ、アヤトを見ればそうでも無いことがわかるぞ。」


「えっ?」


そうか、魔力波を光とするのか。

それなら、波長の短い紫にいく程

エネルギーが高くなるのも納得だ。

普通はということは、多分魔力波は振幅の違いでも

エネルギーに差が生じるということだろう。

それと、魔導具の動作特性も気になる。

ああ~、早く使ってみたいな~。


「これは、逸材だわ。

首をかしげるとか、固まるとかじゃ無くて、

こんな反応する子って。」


少々思案にふけっていた僕は、

その後、なにやら機嫌の良いネロさんに

店の魔導具をいろいろ紹介されるのであった。

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