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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
一章 アヤトは成長中です
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23 林の中は危険です5

見事にワーウルフを撃墜した僕たちは確かな手応えを感じて、声を上げた。


「これならいけるぞ。」


見れば目を撃たれたワーウルフはもがき苦しんでいる。


「おまえら一体……」


アレフと交代し、水を入れに戻った僕にディーさんが話しかけてくる。

ワーウルフ達は撃たれた仲間の様子を見て警戒し、攻撃の手を止めている。


「せつめいはあとです。これでたぶんいちほうこうはふせげます。

これで、たすけをよびにいけませんか?」


「あ…ああ。多分いける。でも、盾を持ったあいつ大丈夫か?」


「ほんにんは、だいじょうぶと。」


「そうか…。本当は防衛を子供に任せるなんていやなんだが、

呼びに行かないと多分持たないからな……

レン、一人つれて助け呼んでこい。」


「了解です。で、誰と行けば?」


「ぼくがいきます。」


ここで、ビートが手を上げる。


「たたかいでは、あまりやくだちませんし、

せつめいは、ぼくがてきにんですから。」


これで、役割が決まった。


ビートとレンさんが二人で応援を呼びに行く。

こちら側は、

ディーさんが二方向前衛。

ギームが一方向前衛。

アレフが主にギーム側だけど、

適宜(てきぎ)ディーさんの方にも入る後衛。

僕がミリアちゃんとアレフの間のつなぎ。カサビを溶かしつつアレフに渡す。

ミリアちゃんが僕とアレフの水補充兼カサビ調達。

織田信長の作戦を参考にさせてもらった。

使える水鉄砲が二つになるので不安だが、

そこは僕が臨機応変に動くことで何とかしよう。


「じゃあ、いってくる。」


「これもってけよ。きをつけて。」


「ありがとう。そっちも、きをつけて。」


僕はビートに、リュックを渡す。


そして、


「準備はいいですか?」


「はい。」


「じゃあ、行きますよ。しっかりついてきて。」


二人が包囲網の薄いところから飛び出す。

やはり、結構な数が追いかけていくようだ。

レンさんが左手のボウガンで牽制しながら走って行く。


「アヤト。」


「いまいく。」


そうして再び僕は、戦いの中へと戻っていくのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「かなりついてくるな。」


みんなと別れて約三ミニ。

とりあえず、包囲網は抜けただろう。

時折後ろを振り返って矢を放つレンさんの横で、

僕は走りながら、アヤトに渡されたリュックの中身を確認していく。


水鉄砲(水が入っている)

カサビの乗った葉 六枚

水筒 五人分


なるほど、これが僕の残弾ということか。


「レンさん。」


「なんですか?」


「六回だけさっきの撃てます。」


「分かった。取り合えずそれは緊急手段としてとっておいて。」


「わかりました。」


「村に着いたら、君が説明してほしい。

僕は指名手配されているから、多分話が進まない。」


「りょうかいです。」


ちょうど騎士団がいるはずだからまずはギルドに駆け込もう。

僕はそう方針を決めつつ、

暗くなっていく林を駆けていくのであった。

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