ここは神界です
「いや~、すまんのう」
なんか雲の上みたいなところにいて、目の前にめっちゃ神々しいお爺さんがいる。
さっきまで大学からの帰り道にいたはずなのだが……
「覚えておらんかのう。君はトラックにひかれてしまったのじゃよ」
「……そうだったんですか。ところであなたは?」
「わしは神じゃ。いくつかの世界の管理をやっておる。しかし、おぬしやけに落ち着いておるのう」
「どうしても死んだという実感が湧かなくてですね。三つほど質問いいですか?」
「いいぞ。何でも聞いておくれ」
「まず、そこに正座している二人は?」
「わしの孫じゃ。一応、神ということになる。見習いじゃがな」
「はぁ。では二つめ、なんで僕は死んだのにこんなところで神様としゃべっているのですか?」
「それは、君に謝らないといかんことと、相談があるからじゃよ」
「もう一つはそれです。さっき最初に謝られましたが、なぜですか?」
神様は正座している二人のほうを見る。すると、
「「ごめんなさい」」
「私たちがけんかをしたせいであなたは死んでしまったの」
「わざとじゃなかったとはいえ僕たちは君を殺してしまった」
「「本当にごめんなさい」」
そんなユニゾンが聞こえてきた。
えーっと、僕はトラックにひかれて死んだんじゃなかったっけ?説明を求めて神様のほうを見る。
「トラックにひかれる前に変な音が聞こえたじゃろ」
ああ、あのドオオォオンっていう音ね。
「あれ、二人のけんかの余波なんじゃよ。君はそれに吹き飛ばされて、トラックの前に飛び出たわけじゃよ」
「そういうことだったんですか」
「わざとではないとはいえ、結果として神が人間の人生に干渉して死なせてしまったのじゃ。これはここ神界にとっても大問題なんじゃ。そこで、さっきも言った相談なのじゃが」
そこで一旦言葉を区切ってから、神様はこちらに視線を留める。
「別の世界で生きてみないかね」
「……それって他に選択肢ってあるんですか?」
「……」
「……」
「ないのじゃ」
「それのどこが相談なんですか!」
「元の世界に帰すわけにもいかんし、これしかないのじゃ。だから相談はここからじゃ」
神様は契約書みたいなものを取り出して言った。
「君はどのような世界に転生して、どのような才能を持ちたいかここに書いてくれ。できる限りでそれをかなえてみせよう」
まぶしい、まぶしい。なんかオーラ全開にして宣言するもんだから、目が、目が~~~
そんなことより、どんな世界でどんな才能か。VRゲームのある世界か?いや僕の夢はVRのなかでもいいから魔法をつかうこと。魔法がない世界だったからVRの中でと思っていたけど、異世界にいけるなら本当に魔法をつかえるかもしれない。だったら、決めた。
渡された紙に僕は書き込む。
転生する異世界の条件…魔法のある世界
持ちたい才能 …最強の魔法使いになれる力
「よし、いいじゃろう。才能はあくまで才能じゃから本当に強くなれるかは君次第になるのじゃが、この通りに転生させてやろう」
「ありがとうございます」
「それでは早速始めるかのう。目を閉じておれ」
「はい」
ピカッ――ものすごい光に包まれて。
「健闘を祈っておるぞ」
「「がんばってねー」」
そんな声が聞こえて。
僕の意識は消えていった。
次回から本編に入ります。




