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魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
間章 アヤトは新入生です……?
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105 三日目の顛末です4

「え、えーっと……。」


さてどうしようかと、周りを見ると

アデクは左耳を抑え、取り巻きは目を見開いたまま固まっている。

うーん、もう行っていいかな?

っていうか早くここから離れたい。

じゃないと――


「おい、だれかいるのかっ?」


あーあ、先生が来ちゃった。

あれは隣の教室、高学年クラスの担任だな。

今日もどこがとは言わないが輝いていらっしゃる。

多分だれか埋まっていないか確認しに来たのだろう。

現実逃避気味にそう考えていると、

先生は僕たちを見つけて言う。


「まさかお前らがこれをやったのか?」


その問いに、アデクとその取り巻きは一斉に右手を動かし始める。

そう、僕の方を指さしたのだ。


「お前か。一体どうやったんだ……」


「え、えーっと……

老朽化が進んでいた……のかな?

あはは……」


苦しい言い訳である。

白い目でこちらを見る先生。

彼はそのあと、瓦礫の方を見てから

もう一度僕たちの方を向く。


「だれか崩落に巻き込まれた奴はいないな?

……そうか、とりあえずアヤトは職員室に来い。

それとアデク、ドクトさんのところに行ってこい。耳がやられているだろ。」


そう言った先生に連行されていく僕であった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これが今、父に説教を受けている原因である。


「まあ、ここまで怒ったがお前が悪いわけではないのはわかってる。

だけど、学校に迷惑をかけたのも、アデクに怪我させたのも事実だからな。

明日は謹慎だ。」


あの後、父と母が学校に呼ばれ、校長先生と話し合いが行われた。

その途中、アデクを連れてドクトさんがやってきて、診断の結果を話していった。

外傷性鼓膜穿孔。つまり、鼓膜破裂だそうだ。

その結果を重く見た父は、別に何もしなくてよいという校長と話し合い、

そして僕に一日だけの謹慎処分が言い渡されたのだった。


うん、故意ではないとはいえ校舎を壊して、

人に怪我までさせたのだ。妥当かなと思う。


「説教はここまで。」


ようやく僕は父に解放されたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


どうしよう。

練習も禁止されてるしなぁ。

次の日、つまり謹慎日当日。

僕は暇を持て余していた。

今日の授業の分は家でやっておいてねということで

教科書は持って帰ってきているのだが、

例によって知っていることばかりで、勉強する意味もない。

やることもないし書庫に行こうと、廊下を歩いていくと、

先に父が入っていくのが見えた。

あれ?研究室に引きこもっているんじゃないの?

疑問に思いつつ、僕もドアを開けるのであった。

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