【天守閣】(俣彦『短編ぼくのまち』)
ここでニュースが入って来ました。
報道フロアお願いします。
はい。ニュースをお伝えします。
愛知県の名古屋市と清州市は21日。
それぞれの市に立地する2つの城。
名古屋城と清州城の天守閣を木造にし、
20年後に名古屋。
そのまた20年後に清州を
それぞれ交互に建て替える
『織田信長式年遷宮』
を実現させるべく
木曽のヒノキを共同で所有する協定に
この程
署名したことを発表しました。
ニュースをお伝えしました。
ありがとうございました。
清州と名古屋と言いますと
織田信長公が
若かりし頃
住まいとされていました城として
世に伝えられているのでありますが
1610年の
今の名古屋城が築城されるにあたりまして
清州の街全体が
名古屋に移りまして
現在の形へと繋がっております。
現在、清州城、名古屋城共に
コンクリート製の天守閣がそびえ立っているのでありますが
名古屋のほうで
(天守閣を木造にしたい)
と言う声が
市を代表されるかたからあがりまして
(どこかの政令市よりは
平和でなによりなのではありますが)
(ほかにおカネの使い道があるでしょうに……)
と思っていましたところ
(そういや小学校の国語の授業で
この話題を取り上げている説明文ありましたね……)
コンクリート建築の耐用年数は
…たしか50~60年が目安。
名古屋城の天守閣が
今の形になって
今年で56年。
しっかりと造られているとは申せ。
さすがに傷みが見られるようになってきました。
修復の問題が出て来ましたところに
国からの
『再建するなら忠実なモノに』
のお達しもありまして
『コンクリートor木造』から
『木造に建て替えるのは
いつになるのでしょうか?』
に問題が変わって来た。と……。
では木造に直すために必要な
木材が見つかるのか?
となりますと
需要の無い巨木を
無駄に抱え込むことが出来るほど
林業
楽ではありませんので
今すぐに
は難しい段階にあり、
当面は
コンクリートを修復しながら
維持管理していく形になるのでは?
と見られております。
ならば……
同じコンクリート製の天守閣を抱え込んでいます
清州市とタイアップしまして
伊勢の式年遷宮に倣う形で
確実に20年に一度
需要が来るのでありますから
と材料の確保に励んでみるのも
面白いのかな?
が冒頭のニュースにございます。
モノの弾みで出て来ました
式年遷宮につきまして
何故20年に一度
建て替えることになったのか?
でありますが
あと付けで
様々な理由が上書き保存されておりますけれども
たぶん
通貨の代わりに用いられておりました
『コメ』の当時の消費期限が
20年であったから
であると思います。