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あなたのそばに23

 そのとき、豊は綺麗な花々が咲き乱れる花畑にいた。祐希が遠くに見える。豊は「祐希!」と叫んで、祐希に駆け寄った。

 「豊、会いたかったわ」

 「俺もだよ。ずっと、祐希が恋しかった」

 「私、豊の恋人になれて幸せだった」

 祐希は泣いているようだった。

 「うん」

 「私、豊にプロポーズされて、うれしかった。戻れるなら、豊のお嫁さんになりたいよ」

 祐希は豊に抱きついた。

 「でもね、豊。私は死んじゃったの。だから、豊のお嫁さんにはなれないの」

 そう言って、祐希は豊から、離れた。

 「祐希」

 「私はいつまでも豊のことを見守っている。幸せにならないと承知しないから。秋吉さんも貴方が戻ってくることを待っているから」

 「祐希」

 「さようなら、豊。お幸せに」と祐希が言うと、空に引き寄せられるように祐希は豊から遠ざかっていった。豊が祐希を追おうとすると、祐希の体は次第に薄くなってゆく。

 祐希が何か言っている。もう何も聞こえないが、唇が「愛している」と形作っていた。


 目が覚めると、秋吉と北原が心配そうに豊を見つめていた。

 「秋吉さん…、北原くん…」と豊は声を発した。

 「相沢さん、良かった、生きていてくれて良かった」と秋吉は泣きながらそう言うと手を強く握ってきた。

 (さようなら、祐希。これからは祐希に頼らず、俺なりに人生を歩んでいくから)と豊は心の中で呟いていた。



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