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あなたのそばに21

 パリコレで活躍している有名なモデルがスタジオに到着した。

 長い金髪と長い足がとても目立っていた。そして、とても綺麗な青色の瞳をしていた。「ボンジュー」と豊と撮影スタッフは挨拶を交わした。

 フランス人のモデルということで通訳をつけてもらった。豊は通訳を通じて、モデルに写真の構図などを説明した。モデルは「OK」と口元に歯を見せ、笑顔をつくった。


 モデルが衣装に着替えて、撮影が始まった。秋吉も遠くから見守っている。

 (祐希、どうか俺を支えてくれ)と豊は心の中で呟いた。

 『大丈夫、豊だったら、出来るよ』と豊の耳に祐希の声が聞こえてきた気がした。

 豊はモデルに日本語で指示をしていく。日本語は通訳を通して、フランス語で伝わる。

 「少しあごを上げて」

 「唇を少し開いて」

 「目は優しく、マリア様を想像して」

 「腕の位置を少し前にずらして」

 「そう、いい感じ」

 矢継ぎ早に豊はモデルに指示をし、シャッターを何度も押し続ける。

 豊の耳に再び、祐希の声が聞こえてくる。

 『今、とても、いい写真が取れているわ、この調子よ』

 優しい祐希の声に間違いは無かった。

 その瞬間にシャッターを押した。

 そのとき、モデルは最高の表情を見せた。優しいマリア様のようで、それでいて、女の体温を感じさせる表情だった。

 長い撮影が終わった。クライアントとパソコンで取れた写真を確認する。クライアントも作品の出来に満足の様子だった。モデルも「ビューティフル!」と最高の笑顔を見せた。

 (祐希、ありがとう)と豊は心の中で祐希に礼を言った。

 (祐希が俺をフォローしてくれたんだ)


続く

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