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あなたのそばに13

・都立日野高校の写真部に在籍、二年生のときに撮った写真でジャパンカメラのコンクールで優秀賞を受賞。

・日本大学写真学科を卒業後、写真家・山崎隆に師事。アシスタントとして五年間の経験を積む。

・その後、矢野プロダクションを設立。独立する。商業写真家としてファッション誌や週刊誌のグラビアを手がける一方で、女性の美をテーマにした写真集「α」を出版し、日本芸術賞を受賞。

・・・


 華々しい祐希の経歴が書かれていた。

 「彼女の経歴を元に、彼女に関わった人物にインタビューをします。高校時代や大学時代も含めて。カメラマン山崎さんには特に詳細に取材をしたいと思っております」

ライターの石沢が説明をした。

 「もちろん、相沢さんや北原さんにも、矢野さんのことをお伺いしたいと思っております」

 「ええ」

 「では、早速ですが、矢野祐希さんはお二人から見たら、どのような方でしたか?」

 まず豊が話した。

 「彼女にはいつもかなわないと思っていました。彼女は女性を撮ることを得意としましたが、全ての写真において、なんとも言い表せない女性の艶かしさを表現されていました。女性の体の曲線美を出すことも旨かったですし、髪をわざと乱れさせて、写真に動きを表現したり。彼女の手にかかると、被写体の女性の表情も、色気をかもし出すんです。少女のような女優が大人の艶を持った女性に変身します。私は彼女のアシスタントになるまで、矢野祐希は男性だと思い込んでいたぐらいですから」と豊が話すと石沢はうんうんと頷いた。豊は話を続けた。

 「でも男性カメラマンの作品とは決定的な違いがあります。彼女の写真には男が求めるエロティシズムだけでなく、女性の持っている本能や強さがある写真なんです」

 「ありがとうございます。僕も彼女の写真を見てそう思いますよ」と石沢も頷いた。

 「私は矢野プロダクションに入社して一ヶ月で、矢野先生が亡くなられたものですから…。本当の先生の凄さはわかっていないのかもしれませんが、撮影のときの迫力にプロの写真家とはこういうものかと驚かされました。先生が突然亡くなって、とても残念に思っています」と次に北原が話をした。

 「本当に惜しい方を亡くしました」と石沢は北原を思いやるように頷いた。

 その他、何点か石沢から質問を受けた。そして最後に、祐希の生前に撮った写真と、祐希自身の写真を提供していただきたいとの申し出があった。豊は「後日こちらでピックアップして送付いたします」と答えた。


続く

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