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あなたのそばに12

 一週間後、事務所の電話に秋吉から連絡が入った。最初、北原が電話を取ったが「相沢さんを」と言われ、北原は豊に目配せをして、「秋吉さんからです」と伝えて、豊に変わった。

 「カッコいい女の企画が通ったんです」と秋吉の弾む声が受話器から聞こえてきた。

 「それは良かったですね」

 「それで当初の予定通り、第一回目は矢野祐希さんに決まりました。それで一度、ライターと一緒に事務所にお伺いしたいのですが、ご予定はいかがでしょうか」

 「来週であれば水曜日の午後などは今のところ空いています」


 打ち合わせの日がやって来た。打ち合わせには豊と北原の二人で出席した。祐希は豊の隣の空き席に座っていた。誰も気づきはしないのだけれど。

 まず、秋吉はライターの石沢巧という男性を紹介した。石沢はノンフィクション作家でもあり、週刊誌などで様々な偉人の人生を記事にしているという。そして、次に企画の趣旨を説明した。

 「毎回、生き生きと働く女性の方を紹介するという企画です。タイトルは《彼女たちの肖像》です。その方の経歴や、ご本人へのインタビューで苦悩や成功を伺い、それを記事にしていくのです。矢野祐希さんの場合はもう亡くなられており、ご本人にインタビューが出来ませんので、矢野さんに関係された方への取材でその辺りを補います」

 「ええ」

 (今、ここに本人がいますから、聞いてください)と祐希は冗談を言った。誰にも祐希の声は聞こえない。

 「まず、こちらで矢野祐希さんの経歴を調べさせていただきました」

 秋吉は祐希の経歴を書いたペーパーを配った。


続く

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