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天使と完璧令嬢 2-プロローグ
令嬢モノのラブコメ感覚で書いています。
プロローグ~ディのこと
デュエルナ・ネルミス・ツイング。
彼女は見目麗しく、怜悧な頭脳を持つ天使。
世界のすべてを愛したい。そして愛されたい。
見姿は天使。心も天使。
されど彼女は身も心も空っぽ。
澄んだ想いは人々を戸惑わせ、美麗な容姿は天使のごとき神々しさを纏い近寄りがたくしていた。
それは魔女が施した戒めの鎖が身体に幾重にも絡みつき彼女を縛り付けていく。太い幹のようにそれらは大きく枝葉を広げ巨大な世界樹となり彼女をさらに世界と人々から遠ざけてしまう。
彼女の心は空虚で、まるで抜け殻だったのかもしれない。
人々の愛を感じ彼女は、自らも手を伸ばそうとするが、掴み取ることも触れることも許されず、心は満たされないままだった。互いの距離のずれはちょっとしたところから始まり、いつしか大きくなり、宇宙の深淵よりも深いものになっていく。
まるで神の悪戯でもあるかのように。
美の女神と知識の神に祝福を受けたはずなのに、それはまるで呪いであった。




