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サラリーマン、銀河を行く ~底辺から花形部署へ成り上がれ  作者: 無海 シロー


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天使と完璧令嬢 2-エピローグ

 エピローグ ~二人の美女



 客同士の話し声や笑い声、グラスを合わせる音に注文やオーダーが飛び交う独特の喧騒が店内を満たしている。

 大衆居酒屋は飛び入り参加となるアサノの提案で選んだ飲み屋だった。

 歓迎会兼ゲームの完成記念の祝宴がここで行われている。

 角席だったけれど二つのテーブルをくっつけて席を並べただけでパーテーションも簡単なものである。物珍しそうにディは出てくるお酒や料理を嬉しそうに味わい雰囲気を楽しみながらノルディックと楽し気に会話していた。

 何度か乾杯を交わして、それぞれにグループを作りながら話に興じる。

「フィオ、お疲れ様」

 パーンはフィオーレのワイングラスにワインを注ぐ。

「貴方は烏龍茶?」

「ウィスキーに見えるでしょう?」

「未成年のくせして、大人ぶるのでは無くてよ」

「だからノンアルコール」

 グラスとグラスを合わせる。なんやかんや言ってこの二人は仲が良い。ワシワシとパーンのディープブルーの髪を撫でつけると彼の首に腕を回して引き寄せホールドするフィオーレだった。

「本当にあなたは生意気なのだから」

「労いに来たのに絡まれるとは思わなかった」それでもパーンはあまり嫌がってはいない。「今回はどこまで全力を出せたかな?」

「まあ八十二パーセントというところかしら。すべてやりきれなかったわ。マックの助けもかなり借りてしまったし、ディもノルディックも底上げしきれていないわ」

「フィオ自身がってことなんだけどな」

「プラットフォームに関してはやりきれているけれど、貴方が押し付けてきた二人の教育は手が回り切れていないわ」

「シュルドさんがいても?」

「いてもよ。シュルドさんがいない間は私が見ていないといけませんからね」

「厳しいね」

「私ですもの。いつだって完璧を期しているのですから」

「フィオに見捨てられないようにいたします」

 ディは対面からパーンのグラスに右手で氷を入れて、左手で烏龍茶を注ぐ。

「そうね。貴女は私のライバルなのですから、せいぜいあがくといいわ」

 高飛車な言葉で言い放つと他の席にも聞こえてしまうような高笑いをする。

「はい。精一杯ついていきますね」

 何事にも動じず清楚な笑みを浮かべてディは頷く。

 美の輝きがここに集中している。

 ノルディックはディの隣にいたがその輝きの中に取り込まれないように、シュルドやアサノの元へ行きグラスを合わせるのであった。

 ささやかな宴であったが、彼らTDFのメンバー達の活躍はこれから始まったばかりなのである。


 フィオーレとデュエルナ。

 対局の美と輝きを放つ。月と太陽、アフロディーテとアルテミスといったように。

 二人は容姿端麗。二人は頭脳明晰。

 友でありライバル。

 片や完璧を、片や愛を求める。

 二人は同じ場所で邂逅し、理想と夢を追い求めた。

 長い道程の中の短い交わりではあったが、その時間は濃密で充実したものであったという。



           <三話へ続く>



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