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たたかう聖女さま  作者: 桜花オルガ


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第59話 謁見

 王都二日目はクロエを伴い、街ブラに出掛けたマリア。せっかくの初王都なのだから、色々と見て回りたいと思うのは当然だろう。



 まずはオーレンにあるものよりも立派な教会を見つけたので、自分が聖女だとは告げずに立ち寄った。


 なるほど、この教会は孤児院も併設されているんだね。少し多めに金貨10枚を寄付しておこう。見た感じ問題はなさそうだけど、孤児たちの成長に役立てて欲しいな。



 それにしてもやはり王都!私が滞在してるクロードさんの王都邸は、貴族街と呼ばれる王城から近い区画にあるんだけど、閑静な高級住宅街って感じだった。でも平民街に出たら人の多いこと多いこと。やっぱり王都には人が集まるんだね。


 こんなに賑やかだと、毎日がお祭りみたいだ。



「王都とは言っても、今は特別に人が多いみたいですよ~」


「お!クロエちゃん情報助かるね。何かイベントでもあるってことなのかな?」


「はい!マリア様が来ますから!」


「……ん?」


「マリア様のお披露目があるから、いつも以上に人が集まってるんですよ!」



 ちょ……なになに私のお披露目?一切聞いてないけど……


 聖女に対する国民感情とかを考慮すれば、お披露目はまぁ仕方ないにしろ、仮にも主役である聖女にその件を伝えてないって、如何なものだろうか。


 みんな浮かれているんだね……仕方ないか。



 ほらほら、クロエちゃんもちゃんと前を向いて歩かないと、あっ!



「キャッ!ごごごごめんなさい!」



 なんだこの六人組?ぶつかったクロエちゃんの事を全く見ていないし、こんな街中なのに六人全員が殺気立ってる。


 あとその揃いのフードにマント姿って、怪しさ満点なんだけど……馬鹿なんだろうか?



「クロエちゃん大丈夫?」


「えへへ……やっちゃいましたぁ」


「怪我がなくて良かったよ。今の六人組だけど、見るからに怪しいから少し後をつけるよ」



 ビシッ!と敬礼をするクロエの頭をひと撫でし、『聖なる身体操作』で聴力を強化しつつ、怪しい六人組の後を追うマリア。


 どうやら見るからに高級そうな宿の中に入ったようだね。うん……宿の外にいても、あいつらの声はちゃんと私には聞こえる。



「待っておったぞ。他の者達はもう配置についているのか?」


「はい。準備万端、いつでも王都を混乱に陥れることができましょう」


「くっくっくっく……まさか新たな聖女がこの国に現れるとは、運は我にあり!聖女を手土産にすれば、帝国での私の地位も確固たるものとなるだろう」


「失敗は出来ませんので、改めて計画の流れをお話します。まずは--」



 あらあら……あらあらあらあら。私を帝国への手土産にするぅ?これは大変なことを聞いてしまったね。そしてこいつらは、一番聞かれちゃ拙い者に話を聞かれちゃったねぇ……


 さてどうしてくれようか。


 とりあえずその計画とやらを、詳しく聞かせてもらいましょうか。




      ───◇─◆─◇───




 ロートリンデン王国の王城内、大広間の中心にマリアとクロードは立っていた。


 正面の玉座には国王がおり、マリア達の左右に多数の貴族が陣取っている。



「虹の聖女マリア殿、我が国に来てくれたこと嬉しく思う」


「初めまして国王陛下。こちらのクロード閣下に大変な協力を頂きまして、ロートリンデン王国の土地を、再生する目途が経ちましたので参りました。幾つか献上品をお持ちしましたので、こちらの目録をお受け取り下さい」



 私が持って来た献上品は以下の通りだ。



---------------


・聖なる肥料:×1,000

・街灯:×100

・大型洗濯機:×1

・小型洗濯機:×1

・魔法袋レベル2:×1

・魔防袋レベル1:×5

・オリハルコンインゴット:×1

・基礎化粧品セット:×50

・芳香剤:×50


---------------



 なんとなく基礎化粧品と、芳香剤も献上する事にした。


 国王の隣に立っていた人が目録を受け取り、一つ一つ読み上げていく。立ち位置的に宰相って立場の人なのかな。



 品目が読み上げられる度に、その場にいる貴族達から驚きの声や溜息、歓声など様々な声が上がった。



「虹の聖女マリア殿よ……肥料や各魔道具の噂は儂も聞いておる。しかしそれどころか魔法袋やオリ……オリハルコンまでとは……これを聖女殿がたった一人で用意されたのか?」


「私の事はどうぞマリアとお呼び下さい。これらの品は、全てこちらにいるクロード閣下とその従者の皆さん、そして私の商会の錬金鍛冶師ドドガ、薬品部門代表レオナで協力して製作した物です。魔法袋とオリハルコン以外は、私がオーレンに戻りましたら、国内全てに販売を予定しています」


「そうであったか。マリア殿、此度の品本当に感謝する。そしてクロードよ。我が国を代表してマリア殿に助力したこと、まことに大義であった」


「はっ!過分なお言葉をありがとう御座います!今後もこのエドガー・ラ・クロード、ロートリンデン王国、そしてマリア殿のために尽力して参ります!」



 王様、詳細を知ってるのに、知らないフリをしてくれてるね。クロードさんを持ち上げるためだろうけど、役者よのう。



 場内の貴族達は、悔しそうな顔をしている人もいるものの、割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。


 クロードさんに良い所を持っていかれて、気に喰わないって人もいるだろうけど、驚くような献上品の数々を用意しちゃうような、虹の聖女様にも認められているんだから、この場の雰囲気を壊すような真似は出来ないもんね。




 などとマリアが考えていると、この場の雰囲気を壊す者が現れた。

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