↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たたかう聖女さま  作者: 桜花オルガ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/118

第47話 緊急会議

 化粧品を仕入れたい商人さん達の気持ちは理解している。



 おそらくこの世界始まって以来の『基礎化粧品』なる商品で、発売前から街中でその神秘の効果が噂され、いよいよ販売開始となったら、文字通り飛ぶように売れまくっている商品。


 こんな商品仕入れたいと思わない商人の方がきっと少ないだろう。



 でもこの『基礎化粧品』は、もともと『薬屋みどり』でのみの販売としているものなんだよね。化粧品の材料も容器の材料も、なんならうちの薬品部門の代表として、レオナさんまで『薬屋みどり』に用意してもらってるし。


 それにすごい効果がある『基礎化粧品』とは言え、これは魔道具とは違ってかなりお手頃な価格設定にしているから、商人さん達に卸してもそんなにうま味を与えられないと思うんだよなぁ。



 もちろん何千何万単位で捌けば、大きな利益にはなると思うけどね。


 だけどその在庫を用意したくても、いま化粧品を作れるのは私とレオナさんだけだし、化粧品や容器の材料が追いつかない気がする。




 と言う訳で、土下座していた四人の商会主さんには検討はする旨を伝えて、一旦帰ってもらう事にした。



 私とクロードさん、ドドガさん、レオナさんの四人で化粧品販売についての緊急会議を始めたのだが、クロードさんとドドガさんは、私とレオナさんの二人で大まかな枠組みを決めてくれれば良いと言って、お茶を楽しんでいる。



「マリアちゃん、うちの店のことを気にしてくれてると思うんだけどさ、例えばこの街での販売権はうちの店だけってことにして、領内の他の街とか国内に関しては、さっきの商人さん達に卸すってことで良いんじゃないかなって」


「レオナさんはそれで良いんですか?最初の話では化粧品は『薬屋みどり』での販売ってことで話はまとまっていましたけど」


「父さんも母さんも、細かい部分は私が決めて良いって言ってるんだよね。それにこの街だけの売上だけでも、正直うちの店が今まで見た事もないような儲けが出てるもん。これ以上儲けちゃったら、本当に化粧品専門店になって弟がびっくりしちゃうかも……」



 レオナさんがそう言うのならまぁ……でも化粧品や容器の材料が大量に必要だよね。私とレオナさんがフル稼働すれば、商品自体はある程度の数作れはするだろうし……


 本当は販売中の基礎化粧品『ラグジュ』の、更に上位版をすぐ作ろうと思っていたんだけど、まずは『ラグジュ』を領内に広めるところから始めますか!



 化粧品と容器の材料は、この街以外から商人さん達に集めてくるよう話そう。領内だけの販売じゃ、まだそこまで儲けさせてあげれないとは思うけど、国内全てで販売となったら、きっと商人さん達もかなり潤うはずだ。



「……話はまとまったようじゃな?どれ、マリアとレオナよ、これから教会に契約の義へ行かんか?」


「ん?ドドガさん、契約の義ってなんですか?」


「マリアは知らんか?まぁ儂も誰かと一緒に商売をするのは久しぶりじゃったから失念しておったのだが、商売の肝となるような重要機密を、強制的に口外できぬようにする儀式じゃ。儂とレオナは各商品の製法等を詳しく知っとるからな。契約した方がええじゃろう」



 ほほ~。機密保持契約の強化版ってところか!


 でも別にそんなもの結ばなくても良いんだけどな。むしろこっちの世界中の人がどんどん私の商品を真似して、そこから新しいものを発明とかしてくれるのが理想だね。



「私は別にドドガさんやレオナさんが情報を漏らしても、一切咎めたりしませんよ?」


「はぁ……本当にお主というやつは……」



 ドドガは呆れた溜息を吐き、レオナはハハハと苦笑いをしている。


 そこから三人で数十分間の問答があったのだが、今回は契約の義というものを見送ることになった。


 その代わり、例えば量産体制を強化するために、レオナの下に人を付けるとなった時、その者には契約の義を行ってもらう……という所で決着がついたのだ。



 ほんとこっちの世界の人って、真面目な人が多いのかな?それともまだ私がおかしなのと余り遭遇していないだけなのだろうか?まぁありがたい話ではあるんだけどね。


 それにしても、クロエちゃんの淹れてくれる紅茶は美味しいね!これでケーキとかがあれば最高なんだけどなぁ。



 しばし聖女商会の面々はティータイムを楽しんでいた。



「そういえばクロードさん。地図に載ってる隣の領ってどんな場所なんですか?私が見た地図では『unknown』って表記されてましたけど?」


「……あそこか。あそこは我が国であって我が国ではないと言うか……このロートリンデン王国の建国前から『呪われた地』と呼ばれ、誰も立ち入ることが出来ないんだよ」


「立ち入ることが出来ないって?とんでもない高さの壁でもあるんですか?」


「いや……『呪われた地』という言葉のままさ。非常に強い呪いに覆われていてね、例え上級の解呪魔法でも意味をなさないらしい。常に黒い霧が立ち込めていて、足を踏み入れると即座に昏倒してしまうと言われている」



 なにそれ……ファンタジーで言えば何か重要イベントの匂いがぷんぷんするやつじゃん!


 ここ最近ファンタジーあるあるの楽しみ方を覚えたマリアはニンマリとする。



(((あ!この子絶対に行く気だ……)))




 そしてこのマリアの笑顔の意味を即座に理解する聖女商会の面々であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。