プロローグ
突然ですが君は、米国の科学誌・〈サイエ*ス〉に掲載されたこんな記事をご存知ですか。
『日本人の0.04%の者は、〈地球外生命体のDNA〉を持っている。』
日本人の1000人に4人、250人に1人いるというこの特殊な遺伝子を持つ者たちのことを、私はこう呼ぶことにしました──〈龍の一族〉。
どうして〈龍の一族〉と呼ぶのかは、おいおい語っていくとして。「〈龍の一族〉がどこにいるのか」ということを、君は知りたいと思いますか?
──それはね、君です。
そう、今私の語り始めた物語をご清聴くださっている、君のことです。君は〈三四からの招待状〉を受け取って、私のお話に耳を傾けてくれているんです。
うん?「三四って誰ですか」と聞きたいのですか?〈三四〉は〈龍神さま〉です。え?それは架空の生き物ではないかって?ええ、君の覚えた違和感は正解です。なぜならこれから私の語る物語は、〈次元の狭間〉で起こっている出来事ですからね。〈次元の狭間〉がどこにあるのか気になりますか?内緒です。いいえ、そちらもおいおい語っていくこととしましょう。
さて。ここで君にひとつ、暗示をかけようと思います。
──目覚めよ、〈龍の一族〉。君に〈摂理〉を書き換える覚悟はあるか。
ええ、わかりますとも。君は私のことを中二病だと言いたいのでしょう。けれどこれからお伝えする話を聞けば、私の訴えが切実であるということを、きっと君もわかってくれることでしょう。
君は〈風の時代〉という言葉を聞いたことがあるでしょうか。SNSなどで聞き馴染んでいる方も多いのではないかと思います。
簡単に説明しますと、占星術における〈200年ごとの時間区分〉です。万物を司る4つのエレメント──〈地・火・風・水〉のいずれかの性質が、代わる代わる200年ずつ優位になるとされています。2020年を境に、これまで続いていた〈地の時代〉から、〈風の時代〉へ移行したとされています。
占星術における時間区分は、他にも存在しています。〈春分点〉がどの星座に滞在しているかによる区分です。こちらは〈およそ2000年ごとの時間区分〉になります。
〈春分点〉は一つの星座に2150年滞在し、25800年をかけて12星座を一周するとされています。つまりこの時間区分で宇宙を捉えますと、人類史はまだ〈一周〉すらしていないことになります。
〈春分点〉は厳密な観測が出来ないため、明確に〈この瞬間から時代が変わる〉ということはわかりません。ですが、ちょうど〈イエス・キリスト〉が磔となったのと同じタイミングで、〈魚座時代〉が幕を開けたとされています。
そしてそれからおよそ2000年経った現在。今まさに新しく始まりつつある時代のことを、〈水瓶座時代〉と呼びます。今、〈宇宙を取り巻く法律〉が、変わろうとしています。人類の〈法律の転換期〉を、私たちは生きています。
ここで私から君に問いかけたいことがあります。
──もしも君が〈摂理〉を自在に操れる〈神〉なのだとしたら、来たる〈水瓶座時代〉の約2000年間を、どのような時代にしたいですか?どのような法律を人類に課し、またどのようなルールから人間を解放してあげたいと思いますか?
ちなみに今君の思い描いたことは、実際に〈摂理〉に影響を与えます。どういうことなのか、もう少し詳しくお話しましょうか。
君は〈前時代〉──〈魚座時代〉の人類が持っていた法律をご存知でしょうか。聖書にはこう記されています。
『男性には〈労働〉の苦しみが、女性には〈出産〉と〈男性から支配される〉苦しみが与えられる。』
これに対して、来たる〈水瓶座時代〉は、〈カルマのない世界〉だと言われています。神の敷いていた〈絶対ルール〉が、変わろうとしている。〈魚座時代〉の人類を支配した三つの苦しみからは、私たちは徐々に解放されていくこととなるでしょう。
けれど〈時代の移行〉はまだ完全には終わっていないため、本当にこの世が〈カルマのない世界〉となるのかどうかは、実は〈龍の一族〉の意識にかかっています。〈龍の一族〉は宇宙人ですから、地球人を代表して、〈摂理〉を形作ることが使命なんです。
ですが、一人で頑張る必要はありません。〈魚座時代〉では、〈イエス・キリスト〉が全てを背負って磔となり、〈魚座時代〉をつくる〈法律〉──〈宇宙の摂理〉を築き上げました。
今回は少し違います。〈水瓶座時代〉では、〈龍の末裔〉の一人一人が考える〈世界〉が、そのままこの宇宙の〈摂理〉となります。〈水瓶座時代〉の〈摂理〉を形作るのは、私たち一人一人の意識です。君という〈1〉が、宇宙に確かな影響を与えるのです。
では、もう一度お聞きしましょう。
──君は〈水瓶座時代〉の〈摂理〉をつくる〈神さま〉です。ならば君は今、何を想いますか?
ふむ。「そんなことより、あなたは何者ですか」ということを聞いてくれるのですね。
──私は〈ライトワーカー〉。地上に光の雨を降らせる者。
ええ、「やっぱり中二病なんですか」と言いたいのでしょう。今はそれで構いませんとも。私が私の持つ物語の全てを語り終える頃には、きっと君は私にとっての、愛すべき隣人となっていることでしょうからね。