表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

喚かないのが良い女じゃない

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

失恋で浮かんで、シリアスで切ないラブソング聞いて、こうなりました。

半泣き書く私ってなんなんだろ。

私の好きな人は好きな人がいて、其れは私じゃない。だからさっさと諦める事にした。

好きな人に何でもない顔で助言して、発破かけて、そして漸く付き合う事になったらしい。これで良い。これで良いんだ。私じゃ、あの人を幸せにしてあげられないから。

失恋の反動というのは思いの外、心臓に来た。好きだった人が笑って穏やかに過ごせているのはとても嬉しい。けれどもその笑顔が自分に向けられない事が苦しくて仕方がない。

……自分で助言したんじゃん。発破掛けたんじゃん。身勝手で馬鹿みたい。

好きな人を眺めると、隣に別の女性が立っているのが苦しくて、私は彼から日に日に距離を取ることした。


誰もいない裏庭は絶好の傷心場所だった。そこでしばらくぼーっとする。ここならば未練タラタラで泣きじゃくっても、誰も見やしない。

しかしその予想は裏切られる事になる。ザッザッと足音を立てて誰かが来た。彼は私の隣に座ると、心配そうに問い掛ける。

「お前らどうしたんだよ。最近全然話してないじゃん」

「おや、ご存知ない? あの子、彼女出来たんだよ。彼女持ちの子に、他の女がうろちょろするもじゃないでしょ?」

声を掛けてきたのは幼馴染の彼だった。彼とは男子の中で一番仲が良い。親友と呼んでも差支えがないぐらいの関係。だから耳に入っているものだと思ったのだが。

彼は私の事を睨む様に数秒間見詰めた後、頭を抱えた。

「どうせお前の事だから『私じゃ幸せに出来ないから……』とか何とか言い訳して、彼奴に助言や発破掛けたんだろ?」

図星である。ドンピシャである。幼馴染という関係上、流石、私の事を熟知している。

そういや何時もそうだな。欲しいものがあっても、『私以上の誰かが大切にしてくれる』。何時もそうやって逃げ腰で奥手。そうして手に入らないと何時もうじうじ悩む。

「だったら何? 思い通りにならないと喚くばかりが女じゃない。好きな人の幸せ願う女が居ても良いでしょ?」

間違っても面倒な女にはならない。どれだけ中身が面倒でも、其れを表に出すことはしない。私の『女としての矜恃』に掛けて。

すると頬に何かを押し当てられた。彼の掌であると気が付くまで、数秒の時間が掛かった。

「辛い時は縋って良いんだ。子供みたいに喚いて癇癪起こして良いんだ。何時でも強いのが良い女じゃない。分かったらさっさと泣け」

「何それ。付き合ってもない癖に、縋るのが良い女な訳? つか、女泣かせる趣味あったんだね。クソじゃん」

ああ……これ以上古傷を抉らないでくれ。頼むから忘れさせてくれ。忘れたくて一人で居るのに。そう言うと彼の溜め息混じりの声が飛んできた。

「遠回しにお前と付き合いたいって言ってるんだけど」

大切な言葉を彼の口から出た気がする。驚いて彼の方を向くと、じっと此方を見詰めていた。

「返事は? 『未練タラタラだからケジメ着くまで待って』は聞かないから。今全力で泣かせて忘れさせる気だから。それでも引き摺るなら此方の問題だから、お前は気にしなくて良い。

はい、という訳で三秒以内。其れ以上は半強制的に付き合うから」

「いや、ちょっと待ってよ……。そんな大事こと、軽々しく……」

「はい。三秒経過。俺の女決定〜。よっと」

怒涛の展開で混乱する間もなく、彼の腕がすっぽりと私の体を包み込んだ。昔と同じ嗅ぎ慣れた柔軟剤の匂いがする。そうしてそのまま、優しく髪を撫でてくる。

「どうれば付き合えるかずっと考えてて、奥手で逃げ腰なら押せば良いと思って。相手が幸せに出来ないなら、此方が幸せにすれば良いと思って。未練タラタラなら、あらゆる手段で忘れさせれば良いと思って。だから、辛い事があれば絶叫すれば良い」

昔嗅いだ柔軟剤の匂い。其れは追憶を呼び起こし子供返りさせる。泣き虫で癇癪持ちで、非常に手のかかる子供時代を。

「ずっと好きで、顔も声も性格も好きで、当たり前に万人に優しくて、それが好きで、そんな彼が好きで、でも彼は私の事好きじゃなくて!! 彼の心変わりさせる程に強烈な事した上で、幸せにさせる見通しがなくて!! だったら彼が好きになった人と付き合った方が絶対絶対絶対……上手くいくと思って……!! 諦めちゃった……!! 助言も発破も掛けて、二人の恋のキューピットやって、それなのに未練タラタラで!! 幼馴染の好意に甘えて縋って泣きじゃくって!! 馬鹿みたい!!」

そんな私の激しい絶叫を、彼はただ黙って聞いてくれていた。時折髪を撫でて、背中を叩いてくれた。ただ二人しかいない裏庭に私の声だけが木霊した。

主人公が不幸せだと、書きながら半泣きになる作者です。甚振っても泣かない事もありますが。


帰り際にふと浮かんで、負けヒロインなりのコメディにしようと思っていたら、シリアスなラブソング聞いてこうなりました。

系統的にはアーティストの〇〇の様な強くて脆いリアルな女のラブソング。


相手の幸せを願って、自分がキツイ未来を歩ける程の良い女が、鎧外して泣きじゃくるのが好きです。

誰彼構わずではなく、心を許した相手にだけ。


個人的に彼の台詞の所々が、ノリが軽くて苦手です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ