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エピソード3 新しい家族 Age22

目を覚ますと牢屋に居た、どこも錆び付いていて年季が入ってるな、周りにも牢屋があり橙色の髪と頭に犬耳が伸びた獣族の少女が見える、男が通り俺を見つける。


「起きたか嬢ちゃん」


「ここはどこだ?あんたは何者だ?」


「口に気をつけろよ、俺達は奴隷商でここはザンドラの壁外だ、一応言っておくが兵士も誰も助けちゃくれねえよ、お前は奴隷にされて死ぬまで犯されるんだ」


馬車かなんかで運ばれたのか?ラッキー。


「ほら食えよ死なれると困るからな、後で俺の相手しろよヒヒヒ」


男は乱暴に皿を牢屋の中へ滑らせた、スープが波打ち床に少しこぼれた、あとパンが一切れ。


手錠が掛けられてるが食べるのには不自由はしない。


さて腹ごしらえはしまいだ、俺は手錠を引きちぎり牢屋を蹴破る。


「なんだ!?」


勿論音でさっきの男が来る、俺は小梁の上で身を隠し真上にまで来ると飛び蹴りをかまし関節技で押さえつけた。


「数と配置」


「じゅ、10人だ!4人外で悪魔や兵士が来ないか見張ってる!頼む!ころさな


男の首をへし折り、剣と鍵を取る。


俺は軍人だ、足音は立てず歩く方法は体に染み付いている、中の6人は俺の存在に気づくことすら無く絞め落とされ、剣で喉を切り裂かれた。


武器庫へ入り弓を盗み裏へ出る、ここは小屋か、壁の上に弓を持った人がいる。


1人、2人、確実にこめかみに矢を放つ。


「敵襲だ!!」


クソ、バレたか、中で待ち伏せるか。


2人が小屋へ急ぐ、1人首をはねるがあと1人が小屋に入ってしまう、俺は剣を投げるが肩に刺さり仕留め損なってしまった。


だが深手は負わせたろう、何処かに隠れているだけに違いない。


血痕を辿ると、地下へのハッチを見つけた、開いている。


弓を構えゆっくりと入る、何か不気味な呻き声が聞こえてくる、さっきの1人が居た、俺は弓を向ける


「はは、お前は終わりだ」


その瞬間男の上半身が弾け飛び血と臓物が俺の顔と体にかかった。


大きな紫色の体に長い頭に螺旋状に無数の角が生えている不気味な見た目の怪物、そうかこれが悪魔か。


「なたはからなさまさなやかやきはたは!!!!」


悪魔が先端の口から寝言のような何かを発した、俺が矢を放とうとした瞬間俺の近くの床が破裂した、何をしたんだ?俺は急いで上へ飛んだ。


ハッチが吹き飛び屋根が吹き抜けた、まだ近くに投獄された人がいる、外におびき寄せるべく俺は屋根を抜ける。


悪魔が飛んでくる、一瞬で俺の方へ回り込み蹴りを食らった、俺は吹き飛び壁へ叩きつけられた、凄まじく尋常ならぬ身体能力だ、悪魔となり強化されたのか。


「コロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!!」


悪魔は壁を破壊し俺は外へ飛び出し平原へ逃げ出す、俺の通った地面がどんどん丸い形にえげつない音を立てえぐれて行く、音が近づいていく、何処か射線を切れなければ俺は死ぬ。


その瞬間音が止んだ、何か周りが強い光で照らされている、まさかまた神か?後ろを振り向くと悪魔の足が切れ墜落している。


近くで誰かが2人降り立った、男と女が居て、男は手から光が放たれている、女は手に持つ剣と右足が光で輝く。


「コオオオオオオオオロスコロスコロスアアアアアアアア!!!!!」


悪魔は怒りの声を上げ女に向かって、爆撃を放つ、女はそれを全て避け悪魔まで走り()った、胴体を大袈裟に仰け反らせるような様子が何処かダンスと見えた、悪魔の頭は半分に裂けそのまま倒れ、体が紫色の光に変わっていく。


「お前眩しいんだよ」


「す、すんません」


後から駆けつけてきた爽やかな金髪の青年は女にどやされると、ぺこぺこ謝った。


「そこのあんた、無事かい?」


赤髪を伸ばした女が持っていた剣の鞘を納め、もうもう一本の鞘で片足の剣を納めて俺に近づく、どうやら右足が欠損しているようで、武器でもある義足を付けているようだ。


「大丈夫、あの小屋は奴隷商のもので中に奴隷が捕まってる」


「分かった、私はスーザン・ブレイドビー、こいつは光の勇者ルーゲン・オースティン」


「勇者?」


「ザンドラじゃ魔法を使えるやつは勇者と呼ばれている」


という事は悪魔側ということか、敵ではないのか??


「そうなのか、私はアミラ・レッドバード」


握手を交わし、小屋へ向かった。


――


「凄いな、これあんた1人でやったのか」


「10人いたがどれも戦闘訓練を大して行っていないような連中だった」


見張り台のもそうだが、小屋の中に入った途端目の前に転がる血と死体の絨毯にスーザンとルーゲンは驚いた顔で俺を見る。


「ありがとうございます、本当にありがとうございます」


開放された奴隷達は俺に何度もお辞儀する。


「いいって、別に」


牢に入れられていた大半はゴブリンにオークに獣族だ、人族は異種族は自分以外の種族は下であると思っている節がある。


「奴隷はどうする?」


「元いた所に返す」


「あたしは帰るところはない」


さっき牢獄にいた獣族の少女だ、顔も汚く身なりもぼろぼろだ、俺も人のこと言えないか、身体中血まみれだし。


「あんたは?」


「アウリス・ダイヤモンドだ」


獣族なのに言葉を話せるのか。


「私も同じだよ、実はここに居るのも色々あって ね、村に住んでたけど神に滅ぼされてここまで逃げてきた」


「あたしもロポス村って所に居たけど、同じく滅ぼされた」


ロポスは獣族が暮らす海辺の村だよな、確か近くにザポネがある。


「それは大変だったな、じゃあ2人とも私のとこに来いよ」


――


「ひっ誰ですか?」


黒髪少女のメイドが出迎え俺達の顔を見た瞬間怯えた表情に変わる。


「そいつはメイ・シュタルペインだ、ビビりだが家事と剣術は私の折り紙つきだね、彼女達に着替えを持ってきてくれ」


「はっはい!」


今はザンドラ内の帝都アルドラにあるブレイドビー邸にいる、スーザンは悪魔から国を守った時に右足を失い商人となった、これがかなり上手くいったようで今はザンドラ内で一番の商人となったのだ。


「そういえば何故あの場に?片足なのに」


「旦那のアーゼスはこいつを残して消滅の魔王ゾルベスクと相打ちで死んじまってな、その件で兵士がほとんど死んじまって私が緊急招集されたんだ、んであの悪魔と出くわした」


スーザンは赤ん坊を抱いて軽く揺らす。


「そいつ名前は?」


おいこらアウリス、失礼すぎるだろ。


「リズ、この世界で私達より強くなってくれ」


理性の無い強力な悪魔が壁の外でうようよいて、しかも上から神が無数の光の槍を降らすイカれた世界なら、こんなに強い女でもそりゃ心配になるだろうな。


――


ザンドラ帝国は人口300万人とかなり繁栄した国である、大きな壁に囲われ勇者と100万人の兵士がいるという軍隊国家、税金が大幅に免除されるのもあるが、元々賊の集まりで数々の村を襲い勢力を拡大させそのまま帝国となったのだ、弱い物は税金で絞り上げ大半はホームレスになってしまい貧富の差がかなり激しい。


この国で一番偉いのは帝王コッド・マグナス、太った中年の男だが帝王も雷の魔法を使うらしい、ここは勇者が複数いる、勇者になる者は自ら立候補した勇気ある兵士のみで、回収した魔草の胞子を吸い込み、悪魔になり殺されるか勇者となって絶大な力を手に入れるのだ。


この世界でザンドラは勇者が最も多く一番戦力が強く神も簡単には襲えないという訳だ。


「アミー姉様、ここがよく分からないですわ」


「あーそこはね」


あれから12年、俺は22歳になり、リズは母と同様赤髪の美人になっていた、どうやら剣術は教えるが兵士にさせず商人の道へ向かわせるべくお嬢様学校へ入学する模様、だから一日中本まみれの机とにらめっこして何か書いている。


「んなもん覚えなくてもよお、買わなきゃ殺すって脅せば良いじゃねえかよ」


アウリスが扉から現れ怒鳴り散らかす、今16で俺と修行しまくったせいかめちゃくちゃ腹筋がムキムキになってしまい、戦うのが好きらしく帝王が運営してるコロシアムのファイターになっている、両手にバトルアックスを持つといういかついスタイルで今の所28連勝中らしい。


「ふん、アウリス姉様は脳筋だから何も分からないんですわ」


「んだとオメー!」


「アウリス様」


飛び込もうとするアウリスの前にいつからかメイが居た、20歳になり黒髪が伸びより綺麗になっている。


「や、やややややめてください!」


まあ相変わらずビビりではあるが。


「オメーいつも影薄いな」


「さて、私はやる事あるから後は頑張れよリズ」


「分かりましたわ」


部屋を出て、重厚な鉄で出来た扉を開き金庫室に入り、そこのハッチを開け梯子を降りる。


そこには巨大なトンネルが広がり進む、梯子があるのでそれを昇りハッチを開ける、そこは巨大な鍛冶屋、ではなく製鉄所だった。


「どれくらいで出来る」


そこに複数居るのは背が低く髭を伸ばした男、ドワーフである、ドワーフは技術が高く武器を作ることができ、俺は数人雇い秘密裏にある物を作っていた。


「あと少しだ」


俺は今新しい家族で幸せにやっている、今度こそ神に奪わせはしない。


ラードア王国には使徒ギースがいる、そいつを撃ち殺し、俺を敵に回したことを後悔させる。

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