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エピソード2 前兆 Age35

カクヨムにも投稿はじめました、読者としてサイトの機能の利用しやすさ、なろうの読者層や流行っているジャンルなどを考慮した末、これからはこの作品以外はカクヨムに投稿することにします、今後悪役令嬢ものとかを書いたらこっちに投稿するかも、新作はダンジョン攻略ものです、ぜひ読んでくださいね!

「この頃ラードアでの武力強化がかなり盛んになっております、これについてはどうお考えになられますか、イギル大統領」


「えっと…それはですね、悪魔に対する対策などであると考察しております………」


「考察じゃ困るのですよ!ラードアの1部政府はアミラ・レッドバードの引き起こした惨劇からザンドラとカサエスに対し宣戦布告の声が上がっているのです」


「なんとしてでもカサエスとラードアで手を組み、ザンドラと名乗るあの愚かな大木をへし折って見せます」


イギルはざわめきをぴしゃりと黙らせるような宣言をするも、先行きの不透明な現状に会議室は終始ぴりぴりとした空気であった。


――


「はっはっはっはっは!!普段説教してたイギルがめちゃくちゃどやされてやがった!」


「おんま、見てやがったのかよ!!!」


爆笑する俺にイギルはいつも通りの声で怒鳴り散らかす。


「まあ大丈夫だろ、戦争が起きても姉貴が何とかするさ」


アウリスはガウラやリオとキャッチボールをしながら呑気な事を言う。


「おう、任せろ」


「おうじゃねえよ!そもそも起こすな戦争!」


「でも本当に起きかねませんね、昨今ラードアは積極的に防衛費を増やし国のドワーフの技術者を引き抜いてます」


メイはカップに紅茶を注ぎながら話す。


「それはイラ達の攻撃を警戒しているんですわよね?」


リズは椅子に足を組み紅茶をすすりながら神妙な顔で述べる。


「表向きの声明ではな、最悪なのはカサエスとザンドラが疲弊しきったのに対して漁夫の利を働こうとするケースだ、アゾは信用ならんからな」


「それにザポネがまたよく分からん能力者に手を焼いているらしいし天崎があの木に何故か執着して調べてるから支援は厳しい、どこも大変だな」


天崎から聞いたが複数の能力者が現れたと報告があった、忍者部隊でなんとかするそうだが。


栄竜は倒したはずだがグリードは世界のどこかで暗躍しているのか?


「戦争、起きないと良いですわね」


「ああ、最善は尽くす」


イギルとリズが互いを見ると強い意志で頷く、アウリスはその様子をぼーっと見つめ、頭にボールが当たりよろけた。


――


「この区域はもう全て建築は終わったかな、君のお陰だよクーア」


クーアが岩で基礎を造りドワーフが残りを仕上げる事でかなりの時間が短縮されるためザンドラで彼女の能力は重宝されている。


「クーア「わっ!」


水色の長髪を伸ばした女性がクーアの耳元で囁く。


「毎回透明化して近付くのやめてほしいのです!」


「驚くクーアがかわいいから、ねえサッカーしよ?あなたのゴーレムが必要なの」


「もー、またなのです?」


「おい!ゴミ能力共!」


広場へ向かう途中で誰かが争っているようだ、蹲る人を悪漢達が容赦無く蹴りあげる。


「ひぃ!」


「この静電気を出すだけの雑魚能力者が」


「やめるのです!」


ゴーレムを出し悪漢を捕まえる、クレアも透明化し後ろから抑え込む。


「また貴方達ですか!」


イラが前に出て男達を弦で片足を掴み持ち上げる。


「ひい!」「すいません!」


「ゴリキは怪力、ネッカは斬撃、貴方達の能力は買っています、元賊だからとこの街を荒らす事は許しません!」


「さすがイラ様、寛大なお方でいらっしゃいます」


クレアはその場で片膝をつきイラに頭を垂れる。


「なぜあんなゴロツキを引き入れるのです?」


「ちょっとクー


前に出るクレアを制するイラの顔を除き顔をしかめる。


「これで定員は揃いましたから」


「え?」


「おーい!クーアとクレアー!サッカーやろうぜー!」


テオとラウルがドリブルしながらこちらに向かってくる。


「私も混ざっていいですか?」


「イラは負けそうになると木を使うからダメ」


「そんなー」


彼女は能力者達の長であるのを忘れる程幼稚な顔でテオを見つめると頬を膨らました。


――


「ねえクーア」


「なんです?」


「いつも建物に何入れてるの?」


「へ?」


いきなりの質問にクーアは思わずクレアを見やる、まさか君の家に遠隔操作型爆弾であるC4を埋め込んでるよなんて言える訳もなかった。


「クーアちゃんオフサイドオフサイド!」


「隙あり!しゅううううと!」


テオがボールを奪い取りゴールまで走りシュートしキーパーのゴーレムを粉砕した。


「準備運動は終わりました?」


「ああ」


『それでは皆様聞いて下さい』


テオが頷くとイラはシャーンの能力である念話を使い全員に呼び掛ける。


『これからラードアを制圧する計画を説明します』


クーアはそんな事今まで聞いていなかった、それもそうだ、密談をしていたのはクレアとイラとテオの3人でクーアは元から疑われていたのだ。


『ラルガとクレアが共に戦士達を透明化させワープし列車へ潜入』


「やばいのです、報告しないと」


『ラードアに着いたら火薬を乗せた車両をクーアのゴーレムが投げつけます、怯んだ隙に地下の結界へワープし貴方達はゴロツキだった汚名を晴らすのです』


「よし!」「やってやるぜ!」


ゴリキとネッカが周りと同じ様に両拳を合わせ雄叫びを上げる、こんな計画が成功してしまえば大勢の人々が死滅する、クーアがアミラヘ知らせなくては現実になる、ポケットに片手を突っ込みながら遠くへ走った。


「どこ行くの?」


「トイレなのです」


「?」


魔術師達にとっては大団円の目前であるはずなのにクーアは何故か焦っている、クレアはその様子を見ると目を細めた。


――


「おい急げー!」「慎重に運べよー!」


「これはあそこにお願いしますわ」


木箱を両手に鉄道まで列を成し向かうオーク達に、リズはクリップボードに何か記しながら指示する。


「なあお前にはリオがいるだろ、あまり無理するな」


「……大丈夫ですわ」


子供が生まれ体調を取り戻してから、むしろ以前よりも仕事に熱中している、疾病による経済停滞を取り戻す事や国家分断の状況変化に対応させる為にもあるが、恐らく1番はテオを失った穴を埋める為だろう。


「あの時以降大変だったけど何とか持ち直しましたわ、だけどそれでも物事の1つも解決出来てませんの」


「だけどお前は」


「仕事が山積みですの、邪魔しないで下さる?」


「ああすまない…だが何を運ぶのかだけ見せてくれないか」


「ええ」


リズは俺にボードを渡す、まあいつも通りだったが、一つだけ気になる物がある。


「ニトロ?なんでそんな物を、まだ兵器開発を進めているのか」


「そうですわ、だけどラードアで新たな鉄鉱脈が発見されたんですわ、これで拡大したカサエス全土に文明を渡らせる事が出来るんですの」


「上手く行けばカサエスだけならず全大陸まで制圧出来るのも夢じゃなくなるかもな、頑張れよ」


「私の仕事は運ぶだけですの、すぐ帰ってきますわ、何も心配しなくていいんですわアミー姉様」


「分かってるよリズ」


『こちらクーア!緊急事態なのです!』


「どうしたクーア?」


――


「やばいのです、リズの乗る列車にウィザ


何者かに通信機が取り上げられる、透明な何かによって。


『おいクーア!応答し


通信機がその場で粉砕されアミラの声が途切れる、そして姿を現す。


「クレア、イラ!」


「やっぱり貴方が密偵だったのね、そこでじっとしていなさい」


「はぐっ!」


クーアは弦によって叩かれ壁に押し付けられると四肢を木に固定された。


「処罰は後に、計画は続行します!列車が発車する前にすぐに準備を!」


「はい!クーア、2年も一緒にいて親友として信じてたのに…」


クレアは振り向きざまに涙を落としイラの背中を追い走る。


「まずい事になったのです……」


――


クーアは電波が悪いのか、念の為ザンドラへ偵察兵を向かわせたが、なんだか嫌な予感がふと感じた。


「それじゃあ行ってきますわ、そっちも任務頑張ってくださいまし」


「おう、気を付けろよ、万が一賊が現れたら


「分かってますの、自分の身は自分で守れますわ」


「そうだよな、それじゃあな」


動き出し窓から顔を出し手を振るリズを俺は見送る、みんないくつになっても微笑ましいな。


『こちら偵察部隊!ザンドラにイラ含め要注意能力者の姿が全て見えません!』


「なんだと?だったらアイツは何処にいると言うんだ!?」


遂にイラが動いた、ヤツめ一体何をしでかすつもりなんだ。

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