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異世界転生・信長物語 〜日ノ本に転生した元勇者〜   作者: ★わくわく★
第3章 帰蝶と謀反
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第50話


 【信秀のぶひで軍1500対反乱軍2000】


 信秀のぶひで軍の背後から襲った反乱軍は、その勢いのまま騎馬兵を突撃させた。普通であれば大打撃を受け、隊は乱れる。しかし…


 「弓兵!!構え!!」


 「放てぇ!!」

 ビュン!!ビュン!!


 予期しない場所から、一斉に矢が放たれる。これで騎馬の足が緩む。


 「槍を待てー!!迎え撃つぞ。」


 襲って来る“場所“も“時間“も分かっていて、何も用意してないはずがない。伏兵を置くぐらいはやっている。


 「馬鹿め。手柄欲しさに騎馬兵が突っ込みすぎだ。それに追って来るのに私達以上に体力を使っているはずだ。休ませるな!!私達も前に出るぞ!!」


 「おおー!!」

 「白兵戦じゃー!!」

 「裏切り者を許すなー!!」


 奇襲は初手が肝になる。それを防いだ信秀のぶひで軍の士気は高い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 一方、織田信清おだのぶきよ織田寛貞おだひろさだの両名は奇襲を失敗した事に驚きの表情を浮かべていた。


 「ちっ…勘付かれていたか。どこで情報が漏れた?」

 

 「今はそれ所じゃない。裏切りを知っていたのなら、その内に援軍が来るぞ。そうなれば援軍が見込めない私達は勝ち目がなくなる。」

 

 「なぁに…作戦は変わらぬ。来る前に終わらせればいいだけだ。まだ数ではこちらの方が有利。」


 「ふふふっ。そうだな。念の為、背後の斥候部隊の数を増やす。ここからは総力戦だ。」


 この2人が今川との同盟で結んだ内容はひとつだけ。信秀のぶひでの首をとる事である。


 今川からは刀や槍、弓矢、鎧といった武具は勿論。食料までも大量に支援して貰っている。


 2人はこの状況でも自分達が負ける事など頭の中には無い。後ろには今川がついていると勘違いをし、自軍が身に付けた新しい武具を見て、最強の軍を指揮していると思い込む。


 「「全軍!!突撃ー!!信秀のぶひでの首をとれええええぇぇぇーーー!!」」


 馬鹿もここまでいくと怖い。兵達は、堂々としている2人の指揮官を見て、初手を防がれた不安が吹き飛んだ。


 「数は上だ。勝てるぞ!!」

 「オレ達の方が強い!!」

 「ああ…勝つんだ!!」


 反乱軍の士気も上がり、こうして両軍入り乱れる白兵戦へと突入したのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 〜安城城あんじょうじょう

 【安城城あんじょうじょう防衛戦】


 松平広忠まつだいらひろただが率いる兵5000は安城城あんじょうじょうまで兵を進め、城の前に布陣した。


 一方、織田信広おだのぶひろが率いる兵は2000。数では倍以上離されており、とる作戦は決まっている。


 「相手がどんな策で来ようとも我々は“籠城戦“だ。父上の援軍が来るまで、なんとしても持ち堪えるぞ。」


 「はい!!」


 城攻めには大きく分けて力攻め、兵糧攻め、水攻めの3つに分類することができる。今回、松平家が選ぶとするなら“力攻め“か“兵糧攻め“だろう。

 

 力攻めは、読んで字の如く力任せに敵の城に攻め入ること。戦略や策略は用いず自分の戦力をそのままぶつけると言う方法は、どちらにしても短期間で決着がつくものの、両軍共に被害も甚大となる。


 兵糧攻めは、城を取り囲み、城内への食糧の輸送線を断ち、相手が降伏するのを待つ戦法。城内に備蓄されている食料がなくなるまで周囲を取り囲むこの戦術は、人の被害は少なく済む。しかし、どうしても決着まで時間がかかる。


 両軍共に尾張で内乱が起きているのは知っている。信秀のぶひでの援軍が来ないと見越して兵糧攻めをとるか。それとも早く決着をつけるつもりで力攻めを選ぶか。


 信広のぶひろにとっては、兵糧攻めをとってくれた方が都合がいい。時間を稼げば必ず援軍に来ると信じているからだ。


 「やはり…そう来るか。」

 

 しかし広忠ひろただは、“力攻め“を選択する。城の前に布陣した兵5000の内、3500を前に出し、残りの1500を背後に布陣する。


 兵1500という数で背後の奇襲の警戒。これは信広のぶひろ同様に松平まつだいら軍も信秀のぶひでの援軍が駆け付けてくると思っていないと取らない行動である。


 「親方様が敵からの評価が高いのは嬉しい事なんだが…。これじゃ援軍が来ても…すぐには挟み撃ちに持ち込むのは至難の業だな。」

 

 援軍を待ち、時間が欲しい信広のぶひろ軍。

 早期決着を望む松平まつだいら軍。


 布陣が完了し両軍睨み合う。

 あとは号令のみ…ここでも戦が始まろうとしていた…その瞬間。松平まつだいら軍の後方部隊の更に後ろから土埃が確認出来た。


 「あれは!?援軍!!織田軍の援軍です!!」

 「旗は?どこの援軍じゃ?信秀のぶひでは裏切り者達と戦っているはずじゃ。」


 広忠ひろただは一瞬、“撤退“の言葉が頭をよぎる。

 もう倒されたのかと…。今川も使えない奴等に声をかけたモノだな…と。


 「報告!!報告します。援軍は那古野城・城主“織田信長“の旗に御座います。数は……500。」


 その言葉を聞いて少し安心する。


 「そ…そうか。500か…。それならば策は変わらん。城攻めを開始するぞ。信長の相手は1500で十分じゃ。」


 松平軍は兵3500を更に前に出す。

 城での戦では、どうしても攻める側の方が兵を消耗してしまう。しかし…ここは安城城あんじょうじょう。元々は松平家が所有していた城。上手く指揮すれば被害を抑えられると判断した。


 「少しぐらいは手を加えたかもしれんが、防衛するのに兵の配置は予想出来る。返してもらうぞ!!我々の城を!!」


 「「「進軍!!」」」


 

 こうして安城城あんじょうじょうでの戦が始まった。


 おそらく…ここが一番厳しい戦場。

 果たして織田側は守り抜く事が出来るのか。

 



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