第18話
今川義元は織田信秀が岡崎城まで侵攻した事に激怒していた。
「信秀ぇ!!」
ドゴッ!!ガシャーン!!
椅子を蹴り飛ばし、顔は真っ赤になっている。周りの部下達は、見ているだけだ。
「ちっ…使える駒だと思っておったのに。素直に私の言う事を聞いておけば……まぁよい…。まずは今橋城の攻略が先じゃ。いつまでかかっておる?もっと兵力を増員せんか!!」
「しかし……いえ…分かりました。」
「その次は信秀…お前じゃ!!今川に楯突いた事を後悔するが良いわ!!」
近くいた指揮官は矛先が自分に向かう事を恐れて言えなかった。
ここは無茶する場面ではない。被害が想定よりも膨れ上がれば信秀の所には向かえないだろうと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜那古野城〜
信長の元に信秀達の情報が届く。
「安城城を攻略し、更に侵攻。そして岡崎城を包囲し松平広忠が降伏。人質として竹千代が織田へ来ることになった。」
家老達にも軽く説明したが、皆んなは分かっていた。今川に敵対したという事実に。
「これから忙しくなりますな。」
「次の戦は今川になりそうですな。」
「信秀様も先に言ってくれればいいものを。」
前もって説明されていたのは信長だけであり、例え家老であっても口外することは禁じられていた。それだけ重要な策だったのだ。
「皆んな黙っていてすまぬ。これで形として竹千代を人質としたが、それはあくまでも松平家の矛先が織田家に向かわぬようにする為の保険にすぎぬ。共闘して今川と戦う事は無いと思うが、これで今川は簡単には攻められなくなった。父信秀が降伏させたおかげで両軍兵も残っておるしな。」
信秀の策は、今川よりも先に城を攻略し松平広忠を降伏させる事。
信長は話を聞いた時、成功する確率の方が高いと感じていた。
松平家は織田に因縁があるが、今川と織田に同時に攻められては存亡の危機に関わる。だからこそ話に乗ると思った。
これで織田と今川の間に松平家が、まだ残る形になる。
「決して安心出来る状況ではないが、今川にいいように使われて織田が滅ぼされるという最悪の未来は防げた訳だ。今川が更に攻めて来れば松平と織田の両軍を相手にしなければならない状況を作り上げたのだから。」
松平広忠が降伏したのには他にも理由があった。
それは信秀が三河に侵攻した際、領民達に被害が一切無かった事。そして安城城での被害も最低限のものだった事があげられる。
そして松平広忠の息子である竹千代が人質として、まずは那古野城に来るのであった。




