ラフィの力?
まんまと『暁の鷲』に成りすました烈たちは、砦の中を捜索していた。
「ラング、お嬢様はどこにいると思う?」
「まあ、定番は地下牢だが......あの部隊長さん......何考えてるかわかりゃしねえ......」
「じゃあ俺の出番かな?」
傍らにいたラフィが軽く手を挙げた。
「何か策があるのか?」
「もちろんだよ、烈。簡単なことさ」
そう言うと、ラフィは向こうにいた「暁の鷲」の団員に声をかけた。
「お~い。すみませ~ん」
烈もラングも慌てた。なるべく目立ちたくなかったからだ。そんな二人にお構い無しにラフィは団員と話し込んでいた。
「なんだ? 見ない顔だな?」
「最近入ったんですよ~」
「そうなのか? 名前は?」
「ラバンって言います~」
「そうか。それで何の用だ?」
「実はゼス様から、何でしたっけ? あのお嬢様を処刑するから連れて来いって言われまして~。ただどこに閉じ込められてるのか俺分からないんですよ~」
「本当か? あれは大事な人質だぞ?」
「姫様がもうパバルの城にいるから、さっさと奇襲をかけて倒すつもりらしいですよ? その時に人質は邪魔になるからっぱぱっと殺せって」
「ああ、なるほどな。確かにあの人が言いそうだ。それならそっちの奥の階段を下ったところの地下牢だ」
「なるほど! ありがとうございます!」
烈たちは驚いた。警戒心の強そうな傭兵たちに、簡単に喋らせたこともそうだが、何よりラフィは本当のことしか言っていないのだ。口をぽかんっと開ける烈たちを余所に、ラフィはたったったっと足取りも軽く戻ってきた。
「さあ、お嬢様の場所もわかったから、レッツラゴ~」
おーっと片手を挙げるラフィに、烈もラングもどこか毒気を抜かれてしまっていた。
登場人物紹介
★立花烈 (レツ・タチバナ)
本作の主人公。ある日、亡き妹の姿を追って、異世界に迷い込んだ少年。齢は18。黒い髪に、高い身長が特徴。実家が古流剣術の道場であり、そこで厳しく育てられたため、剣術の腕は比類なきものとなっている。なにやら暗い過去があるようだが、それについては口を閉ざしている。
★ミア・キャンベル
烈が異世界で目覚めてから初めて出会った少女。齢は18。赤髪に金色の眼、烈と同じくらいの高身長で、身の丈もある、幅広のバスターソードを軽々と振るう。その正体はドイエベルンの王女『ミネビア・アーハイム・キャンベル・ロンバルト』。実兄である現国王と、その腹心のペルセウス侯爵の専横を打倒するために奮闘している。『紅雌虎』の異名を持つ。
★ラング
烈とミアがバリ王国の山賊を退治した時に出会った男。齢は20。金髪で小麦色の肌を持ち、ノリもよく、いわゆるモテる男なのだが、何か秘密があり謎めいている姿も持つ。剣の腕は我流だが一流。
★ルル
モニカ王国の元王女。齢は13~14くらい褐色、黒髪の美少女。モニカ王国がバリ王国に滅ぼされ、奴隷に身をやつしていたところを、烈に解放されたため、その恩返しのために共に旅をしている。元々は『軍破弓』の異名を持つほどの弓の達人で、200m先の敵将を正確に射抜くことができる実力の持ち主。




