不穏
忙しくて投稿遅れております。
申し訳ありません。
「♪~~~」
赤鹿を出たラングは上機嫌な様子で、鼻歌を歌いながら歩いていた。ポケットに手を突っ込み、スキップでもしそうな足取りであった。
そのうち、ラングは人気のない裏路地に入っていった。辺りは薄暗く、ネズミの「キーッ、キーッ」と鳴く声が聞こえるのみである。
「待て」
そのラングに背後から低く声を掛けるものがいた。ラングは酔っぱらったまま、ヘラ~っと振り返った。
「なんだい?」
ラングの目の前には三人の男がいた。見た目はその辺の作業員のようだが、誰も彼も剣呑な雰囲気を放っており、腰に剣を帯びている。それに気づいているのかどうか、ラングはへらへらしたまま答えた。
「なんだい? 兄さんたち。物騒だな。物盗りかい? 生憎とさっき手持ちを全部酒場で使っちまってね。何も持ってないぜ?」
そう言って、ラングはポケットを裏返して、何もないことをアピールした。
「なぜ、暁の鷲のことについて調べていた?」
「......」
「答えろ」
男たちの手が腰の剣へと伸びる。
「そりゃあんた......女王陛下の命令だから......さっ!!」
「ぬ!?......がっ!?」
「貴様!?」
ラングは突如飛び出して、真ん中でしゃべっていた男を叩き伏せた。酔っ払いだと思い、不意を突かれた男たちは動揺し、一拍反応が遅れてしまった。
「ちいっ!」
左にいた男が抜き打ちで剣を振るうが、ラングはひらりと避ける。そして、全力で間を抜けて駆けだした。
「待て!」
「待てと言われて待つ奴はおらんでしょう~」
ラングは人を食ったようににやりと笑って逃げていく。残った二人も全力で追うが、ラングの足の速さについていけなかった。
「くそっ! なんて逃げ足の速い野郎だ!」
追手の二人のうち一人が、ラングを完全に見失って毒づいた。
「落ち着け」
「だが、あんな奴を見失ったと知れたら、ゼス様にどんな目にあわせられるか」
「分かっている。だが、あれを見ろ」
追手の一人が道の先にある通路を指さした。
「あそこに真新しい足跡がある」
「だが、あのスピードでは俺たちが追い付けんぞ?」
「問題ない」
指さした男の方はにやりと笑った。
「あの道の先は行き止まりだ」




