表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/197

本戦

 8試合目の予選が終わり、最後の組の勝者の名前が挙がった。観客の歓声とともに、勝者が闘技場から引きあげてくる。


 それと同時に、予選に勝ったメンバー一人ずつ呼び出された。


「本戦は誰とぶつかるか、わからないらしいぜ?」


 キースが楽しそうに烈に話しかけていた。


「そうなのか?」


「ああ、そっちの方が楽しいからだと」


「今日中に決勝までやるのか?」


「いや、今日は本戦の1回戦までだと」


「そうか」


「奴隷の連中とは当たりたくないかい?」


「まあな、いい人たちだ」


「へー。レツは変わってるな」


「そうなのか?」


「ああ、普通のやつらはそこまで考えないさ♪」


「キース! 来い!」


 キースが先に管理官に呼ばれた。


「おっと、じゃあお先に」


 そう言って、手を振って予選の控室を出ていく。


「レツ・タチバナ! 来い!」


 烈も呼ばれた。案内の管理官の後を追っていくと、小部屋に通された。どうやらここで待機しろということらしい。


 烈は小部屋に入って、床に寝転んだ。一人にしてもらうのはありがたかった。色々と考えたいこともあったのだ。


(俺はどうしてこんなことをしているんだろう......このままいていいのだろうか......)


たった数日いただけだが、烈にはこの世界が楽しくなってきていた。過去のしがらみのないこの世界が。ゆえに、まるで光が強ければ、闇もまた濃くなるように、罪科を元の世界においていてしまっていることへの罪悪感も、烈の心に強く感じていた。


「紗矢......」


 烈は妹の名を呼んだ。楽しすぎて忘れそうになるからこそ、強く思い出さなければいけなかった。


「レツ・タチバナ! 出番だ」


 外から管理官の声が聞こえた。烈はゆっくりと床から起き上がって、部屋を出る。


(今は考えるのはやめよう。残ったのはみんな強者だ。なめてかかれる相手ではない)


 烈はしっかりとした足取りで、光さす方へ、細長く伸びた石畳の通路を進む。出口を出ると、太陽の光が目に刺さってきた。烈はとっさに目を腕でかばう。目が慣れてくると、目の前に山のような男がいた。


「お前が相手か。悪いが手加減はできんぞ?」


 対戦相手は長剣を携え、仁王立ちになったダストンだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ