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戦いの前に

 宿屋の一階で、烈とミアが武術大会に備えて、あれやこれやと話をしていると、難しい顔をしたラングがやってきた。


「ラング。どうしたんだ?」


「ああ烈、ちょっと困ったことになった」


「困ったこと?」


「ああ、楽勝だと思っていた武術大会なんだがな、厄介なのがどうやら出てくるらしい」


「ほう?」


 話を聞いて、俄然ミアが身を乗り出す。


「どう厄介なんだ?」


「それが、王国軍の第三軍、その将兵と軍団長がエントリーしたらしいんだ」


「ほう? 第三軍と言うと例の?」


「ああ、通称、王国の(まさかり)。戦争ではと常に相手の本陣へ突っ込んで、将の首を取ってくる、いかれた連中さ」


「そこの軍団長と言えば他国にまで勇名を馳せた女だったな。確か名前は......」


「キョウカ。キョウカ・シバ。王国の三剣の一人にして、『剣姫』と言われる大陸最強の一人。本人はかなりの堅物で、本来はこういう場にはあまり出てこないんだがな」


「今回は出てきたと? なんでまた」


「どうやら、王様が観戦に来るらしい。それで王様が戯れにエントリーさせてしまったんだと」


「なんとまあ運の悪い」


「そそ。それで軍団長だけ出すわけにはいかないと、第三軍の腕利きどももみんなエントリーしてしまったらしい」


「それじゃあ、大会のレベルは......」


「かなり高くなってしまったというわけさ。予選を突破するだけでも相当な腕の証明になりそうだ」


「うーむ、私も出ればよかったかな?」


「生憎と、エントリー受付は今日で終わってしまったんだ。レツ一人で頑張ってもらうしかない」


「だ、そうだ? 行けるか? レツ」


「と、言われてもな。俺もこの国のレベルは、ミアと山賊くらいしか知らないんだぜ? 誰がどれくらい強いか物差しがないから、いまいちわからん」


 烈の言葉にラングは笑った。


「はっはっ~、そりゃそうだ! 知らないものは恐れようがないわな」


「何を呑気なことを......そうだな。武術大会の前に練習場みたいなところがあるんだろう?」


「ん? ああ、あるぜ。闘技場の近くに、参加者が調整するところがな。大会は明後日だし、ちょっと行ってみるか?」


「ああ、案内頼むよ。ラング」


「かしこまりました~っと」


 ラングがふざけてうやうやしく、手を胸の前に持ってきて、従者の真似事をしたところで、宿屋の主人が今日の夕飯を持ってきたので、三人はそれぞれ食事を楽しむことにしたのだった。

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