表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

線虫による機能性イレウスに苦しむ我々の肉体の苦痛

作者: 黒実 音子

線虫という神の出稼(ガニヤン)ぎが、

メルセンヌ素数の上を這っている。


Mn = 2n − 1という数式は、

彼には何の意味ももたらさないが、

出稼(ガニヤン)ぎは、

ゼロではない全ての数字そのものだ。


ゴルゴダへの道よ、

線形や藻類(アルガ)自体が真理なのだ。

彼らはその動きで

ゼロの矛盾を説く疑問を持たぬ哲学者だ。


空の間に無限はなく、

ただ求めていた野心の、

骨の空洞の穴だけが

かろうじて認識できるのだ。


そうだ!!

認識は実在する訳ではなく、

その周囲の有限から、

黒い歩行蟹(ネコラ)の群れから、

我々は無を意識できる!!


そして認識は夢である。

我々の精神は、

凝固壊死したかつての細胞の残骸だから、

貪食(ファゴサイトーシス)されるまで捨て置かれる。


既に機能に意味を持たぬ正しさの幽霊達が

我々の社会で、

真実らしい数字を探し続ける。


だが無の中でこそ

栄光を得ていた天使達は肉を持ち、

囲蛹殻を持った虫達によって、

無慈悲に正確に腐敗(ミアシス)し続けるのだ。


カインの末裔である我々の思考は、

狂った原初の喪失により、

最早、正解を見る事が出来ない為、

常に割り切れない蛆虫を正確に切り続ける。


藻類(アルガ)は真理だ。

ああ、我々は無限遠点に帰るのだよ。

線虫の口腔を通って。


しかし、線虫による機能性イレウスに苦しむ

我々の肉体の苦痛は、

いつまでも我々を泥血の上に縛り続ける。


正確な数字を飲み込んだ者は

ラザロだけであり、

過剰になった数字を整理し、

正す事が出来ない我々のその魂を、

土の虫達は荊冠の痛みで蝕むのだ。


その虫をグラム染色した所で全ては陰性であり、

紫色に染まった蛆虫達は今日も我々に

誤った黒板の文字を見せる。


くだらない!!

もう我々はバブーフの夢を

見れなくなってしまった!!


肉体を得て、

そこに流れているのは泥の味のする血で、

いつも目が覚めると我々は

十字架の下で死んでいるじゃないか!!


そんな我らを

磔にされたキリストが哀れみ、

涙を流しているが、

我々の目から流れる涙には

おぞましい線虫が住んでいる。

ああ、

それがヘロデに税金を納めた私達の末路だ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ