6話 クラス対抗戦に向けて
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この学園のテストには、筆記試験の他に実技試験というものがある。
テストは1年に4回行われ、1回目のテストは6月中旬に行われるそうだ。
そして、その1回目の実技試験では、クラス対抗の陣地防衛バトルが行われるらしい。
そこで、先生がクラスの大将を立候補で求めたのだが……。
2人が大将に名乗りを上げた。
1人目はジョシュア・ノートン。
2人目はジャンヌ・ダルク。
巨乳で男を釣る女の敵め!
大きな胸を揺らして立ち上がったジャンヌを私は睨みつけた。
私としては、ジャンヌよりノートンに大将をやってもらった方がまだマシだ。
私は、退屈そうに机の上に建設を始めた。
モニュメントという名目でフィギュアサイズのジャンヌ像を建てた。
これでジャンヌフィギュアの完成だ。
私は精密に作られたジャンヌ像を手に取り、その憎たらしい胸を引っ張った。
この、この、このっ、このっ!
隣のヒトラーが不思議そうな目でチラチラと見てくるが、私は気づいていないふりをして引っ張り続けた。
「私は、仲間を奮い立たせ、いつも以上の力を引き出せる才能を持っています! 中途半端な才能しか持っていないノートン君は前線の隊長でもやらせておけばいいと思います!」
手を挙げてクラスメイトの前で暴言を吐いたジャンヌ。
確かに、才能を聞いた限りではジャンヌが大将としては適任だろう。
だけど、巨乳が大将かぁ……。
「あの……ガウディ、怖い顔してどうしたんですか?」
ヒトラーが若干脅えた表情で耳打ちしてきた。
「私……巨乳が生理的に受け付けられないのよね……」
「え? それは、ガウディが貧乳だからじゃ……いひゃい、いひゃい!」
失礼な事を言ってくるヒトラーの頬をつねっていると、ノートンがジャンヌに反論した。
「ま、まぁ、確かに君の才能が将として相応しいことは認めよう。だが、将になりたい気持ちは我の方が強くはないか?」
額に汗を浮かべ、焦った顔のノートンが、そんな面倒くさいことを言い出した。
「そ、そもそもだね。君は我の才能を中途半端だと言っておいて、失礼だと思わないのかね?」
今度は若干の怒気を孕ませながら、ノートンが指をさしてジャンヌに問うた。
「ええっ!? わっ、私、ノートン君に失礼な事言ったつもりは無いんです! ただ、才能が大将らしくないだとか、目立ちたがり屋だと思っただけで……!」
ジャンヌの言葉一つ一つが、グサリグサリと音を立ててノートンの胸を貫いた。
ノートンは床に崩れ落ち、肩を震わせて愕然としている。
「わ、この我が、目立ちたがり屋……? 才能が大将らしくない……? は、はは……まさかな……はは……」
壊れ落ちたノートンと、暴言を吐いた自覚がないのか、崩れたノートンを見て慌てるジャンヌ。
私はそんな2人を見ながら、呆れて溜め息を吐いた。
ジャンヌはあれだ。天然のドSだ。
クラスの視線が、まるでコントをしている2人に集まる中、先生が。
「そ、それじゃあ。ジャンヌさんが大将ってことでいいですか? それと、ノートン君は前線の大将ってことで……どうですか?」
ノイマン先生が悪くない折衷案を提案すると、闇に沈んでいたノートンが復活した。
「そうか! 先生も我が力を欲しますか! いいでしょう、このノートン、前線にて大将を務めましょうぞ!」
「えっ、ノイマン先生はノートン君の力を欲してるなんて言ってないですよ? 別にそこまで欲するような力も無いと……あわわっ、どうしたんですか!?」
悪気のないジャンヌの言葉に、再びノートンが地に沈む。
「はは……どうせ我なんて……どうせ我なんて……」
「ノ、ノートン君、しっかりしてください! ほら、ジャンヌさんも謝って!」
先生が慌ててノートンに駆け寄り、ジャンヌに謝るよう促した。
「ノ、ノートン君、ごめんなさい! でも、私って何か悪いことしました!? 悪いのはノートン君ですよね!?」
「ジャ、ジャンヌさん!」
いつまでも天然っぷりを見せつけるジャンヌに、私は呆れて机の上にミニサイズのクレムリンを建設し始めた。
ものの数十秒で完璧なクレムリンを建設し終えると、未だにノートンの元にいる先生に。
「先生、自称皇帝は放っておいて、試験の作戦でも考えましょうよ。バカは構うだけ時間の無駄です」
某ダイナマイトの顔が脳裏にチラつきながら、手を上げて何気なく行った私に。
「あ、そうだ! ガウディさん、華奢なあなたは戦闘は出来なさそうですし、陣地防衛バトルで要塞の建築ぐらいでしか役に立ちそうにないので、それを任せてもいいですか?」
ジャンヌがトゲの溢れる言葉を言ってきた。
えっ?
「ガウディさんは校舎の修築で、非戦闘向きですが素晴らしい才能を持っていると私は知ったので、ぜひお願いしたいと思います!」
「あら、それはいいですね! ではガウディさんは建築大将ですね」
ジャンヌに続き、先生までもが笑顔でそんな事を言ってくる。
えっ?
「凄いですねガウディ、建築大将ですって! おめでとうございます!」
更には隣のヒトラーまでもが……。
な、なんというやぶ蛇…………。
ええ、まあ、いいんですけどね。
私としては少し予想外と言いますか……正直に言うとやりたくないと言いますか……。
勝手に事が進むので戸惑っていると言いますか……。
「それじゃあ、前線と建築の大将が決まったところで、このクラスで優勝しましょう!」
ジャンヌが拳を握って高らかに宣言すると、彼女の胸が大きく上下に揺れた。
「「「オォーー!!!」」」
それを見たクラスメイトが、拳を掲げて叫んだ。
────男子のみが。
私やヒトラーをはじめ、アンリや先生などの貧乳組がこぞってジャンヌに恨めしい視線を向ける中、私は心の中で叫んだ。
これだから巨乳は大嫌いなんだよ!!
私が腹いせに強く握りしめたクレムリンが、粉々に潰れてしまった。
【偉人紹介6 ジャンヌ・ダルク】
〈作中〉
メガネをかけ、金髪を三つ編みお下げにした巨乳の女の子。
中世ヨーロッパの庶民服を着ている。
無意識に人を傷つける発言をする天然ドS。
その大きすぎる胸は、世の男性を奮い立たせ、世の女性を妬ませる。
〈才能〉
仲間を奮い立たせ、いつも以上の力を発揮させる。
才能のバフも可能なので、ジャンヌの近くにいればいるほど、才能が強化される。
彼女の巨乳と才能の効果に因果関係は無い。
〈史実〉1412(?)~1431
フランスの軍人で、国民的ヒロイン。
12歳の頃に、神の声を聞いたとされる。
神の声に従い王に謁見し、軍の指揮官に任命される。
オルレアン包囲戦で勝利し聖女と呼ばれるようになるも、捕虜になり宗教裁判で処刑された。




