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偉人たちの輪廻転生スクールライフ  作者: みらい
2章 生徒たちの質実剛健スタディーライフ
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55話 溺愛

 ノートンの才能によって無力化された敵が、ナルシスト皇帝にベッタリくっついて離れない。


 そんな光景を私たちは眺め、状況を理解出来ずにいた。


「いーなーノートンは。おい変われよ。俺も女の子に抱きつかれてぇよ」


 空気を読めず馬鹿な発言をするクソ爆弾が、女性の肩に触れようとして彼女の手に弾かれた。


「なんの活躍もしてないくせに、しゃしゃってんじゃないわよ」


 手を弾かれて固まるクソ爆弾に私がボソッと呟いた一言に、ノーベルが鋭く反応してこちらを向いた。


「おいおい聞き捨てならねぇなぁ、建築娘さんよぉ? おめぇさんだって活躍してないじゃーん?」


 くねくねと体をよじらせて煽ってくるクソ爆弾に、私はドヤ顔で煽り返した。


「はっ、どこ見て言ってんのかしら、あんたは。私は避雷針をたくさん建築して、みんなの被弾を減らしたのよ? あんたが今生きてるのも私のおかげ。分かったら感謝しなさい?」


 舌をべっと出して煽る私に、ノーベルは無言のまま……。


 右手にダイナマイトを生産して投げつけてきた。


「なっ!?」


 私は慌てて後ろに飛び、目の前に鉛の壁を建築した。


 防壁を建築してノータイムで爆発し、私は衝撃で軽く飛ばされた。


「あっぶねぇ! なにしやがるクソ爆弾! これでも喰らえ!」


 私は今回の試験のために練習してきた、投げナイフともう1つの遠距離攻撃手段、弓を建築した。


 それに建築した矢を番えて、ノーベルの頭をめがけて放った。


 ノーベルはダイナマイトを生産し、それを投げて矢に当てて被弾を防いだ。


「ちっ、惜しいっ! もう一回!」

「へいへーい! 当たってないよぉ? これでも喰らえ☆」


 互いに攻撃し合う私たちに、アンリとヒトラーが呟いた。


「なんで敵との戦闘が終わって、すぐ同士討ちを始めるかなー」

「あの、ガウディさん……声が怖いのですが……」


 荒ぶっていた私は2人に毒気を抜かれ、弓矢を解体した。


 そして放置していたノートンと抱きつき、ピンクのハートが見えるくらいにイチャイチャする女に目を向けて。


「どうすんのこれ……」

「さあ……とりあえず、ノートンには忠実だろうし情報を抜き出してもらわない?」


 私のボヤキにアンリが反応したが、そもそもどしうてノートンは敵に惚れるよう命じたのだろうか。


 ただ単に才能の行使を禁ずれば勝てたと思うのだが……。


 見れば、ノートンは鼻の下を伸ばして、体にくっつけられている巨乳をチラチラと見ている。


 …………クソッタレが!


 私は自分の胸に手を置き、敵によって焼け焦がされた地面を踏み締めた。


 だが、大人な私は気持ちを落ち着け、敵から情報を抜き出すことにした。


「で、あなたは何者? 他の仲間の情報も教えてもらおうかしら?」


 私に尋ねられた女は、こちらを肩越しにチラッと見て。


「あなたに答える義理はないと存じます」


 そう答えると再びノートンの体に顔を埋めた。


「おいノートン。このクソ女から敵の情報を抜き出すわよ。色々聞いて」


「か、顔が怖いぞ……。よし、それでは我の質問に答えてもらうぞ?」


 私の顔に怯えたノートンが、巨乳クソ女を見下ろして質問を出した。


「まずは君の名前から教えてもらおうか! 勅令である、我に自身の名を教えたまえ!」


 あー、なるほど……ノートンも考え無しに惚れさせたわけじゃ無いのかもなあ。

 惚れさせて溺愛状態ならば、どんな命令だって聞くだろうって算段だったのかも知れない。


 ノートンが再び才能を行使すると、女は顔を赤らめて答えた。


「わ、私は孔明でございます。諸葛孔明です」


 孔明か……。

 確かに、天気を操ったという逸話も残っているし事実だろう。


 私はノートンの才能の効き目を再確認すると、腕まくりをして口元を歪ませた。


 これで敵の全ての情報を抜き出せる!


「さーて、それじゃあ、お楽しみタイムの始まりだ!」


「お楽しみタイム!? なんだ!? エッチなことするのか!?」

「黙れノーベル。取り調べよ取り調べ」

【偉人紹介19 孔明】

〈作中〉

桃色の漢服を装い、扇子を手にした女性。

落ち着いた性格で、体を動かすことは苦手。

史実の孔明ほどでは無いが、そこそこ頭が回る。

しかし時々、天然要素を発するので一部の男性に人気がある。


〈才能〉

豪雨や落雷など、ありとあらゆる気象を操ることが出来る。

風を使って人や物を浮かせることも可能であり、空中に逃げることで大規模な範囲攻撃が可能。

生身の人間では耐えきれない大自然の猛威で攻撃することや、攻撃の届きにくい上空に逃げられることなどで、作中最強の実力を誇る。


〈史実〉181~234

言わずと知れた中国後漢、三国時代の軍師。

後に蜀を建国する劉備に仕え、曹操の魏や孫権の呉と戦った。

呉と組んで魏と戦った赤壁の戦いや、死してなお戦線に影響を与えた北伐の戦いなどで有名である。

雨を降らせたり、風向きを変えたりするといった逸話が残っている。


「天下は一人の天下にあらず、すなわち天下の人の天下である」

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