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偉人たちの輪廻転生スクールライフ  作者: みらい
2章 生徒たちの質実剛健スタディーライフ
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54話 才能の強化

面白ければコメントなどよろしくお願いします!

 落雷の衝撃で吹き飛ばされた私が見たのは、煙が立ちのぼる焦土だった。


 上空を舞う女性が落とした雷が、大地を焼き焦がした。

 なんて威力……こんなのに敵うのだろうか。


 周りを見渡せば、誰も負傷者は出ていないようだった。

 私は胸をなで下ろし、反撃の作戦を考えた。


 私の才能は、効果範囲が半径2メートル。

 遥か上空に浮かぶ彼女には、もちろん届くはずもない。


 アンリやヒトラーも攻撃手段は持たないし……。

 今この場にいる中で、戦えそうなのは……。


 ノーベルの爆弾では……まず爆弾を敵の元まで届けられないだろう。


 アークライトの綿糸放出では……相手の攻撃が雷だけなら、拘束することも出来るかも?


 最後にノートンの命令なら……あの作戦さえ伝えれば、必ず決まるな。


 私はノートンにその作戦を伝えようと立ち上がり、再び落ちた雷の衝撃で吹き飛ばされた。


 私はムクリと起き上がり、上空の人影を睨んだ。

 まずはこの雷を何とかしないとな。


 私は焦げつく大地を走り出し、大きくジャンプして才能を行使した。


 再び落ちてくる雷は、私が建築した避雷針に直撃した。

 高さ2メートルにも満たない小さな避雷針だが、無事受け止めてくれた。


 幸いなことに、避雷針の近くにいた私に側撃雷は飛んでこず、アンリの才能の世話になることもなさそうだ。

 あとは、避雷針を各所に建築するのが私の役割だ。

 そうして時間稼ぎさえ出来れば……!


 私と同じく落雷を躱したアークライトが、手のひらを敵に向け、綿糸を放出した。


「これでも喰らえや! オラあああああ!!」


 変幻自在に迫る綿糸を見据えた敵は、ゆっくりと腕を動かし振り下ろした。


「このような攻撃は無意味であると存じます。トルネード」


 その敵が呟くと、突如として現れた竜巻が綿糸を取り込んだ。


「うおっ! くっ、このおおお!」


 腕から放出している綿糸を竜巻に喰われたアークライトが、必死に持ちこたえるも引っ張られて竜巻に吸い込まれてしまった。


 おいおい、まじかよ。

 落雷だけじゃなく竜巻まで……。


 あの敵は落雷、竜巻、浮遊といった才能を有している……?

 いや、もし風を使って浮いているのなら、気象を操る才能なのかも……!


 桃色の漢服を羽織り、扇子を携えたその敵の正体は……一体誰だ?

 漢服ならおそらく中国。

 中国で有名な気象学者は……趙九章か、竺可楨か?


 考え事を続けながら、ある程度の避雷針を建築し終えた私は、ノートンの元に駆け寄った。


「避雷針など作っても、無駄と存じます。ヘイルストーム」


 敵がまたもや呟くと、今度は野球ボール大の雹が豪雨と共に降り出した。


 もうなんでもありだな!


 私はコンクリート製の小屋を建築すると、その中に潜ってノートンに耳打ちした。


「ノートン聞いて。あいつを止められるのは多分ノートンだけ」

「ほう、ついに君も我の強さに気がついたか! いいだろう、我がやつを殴り倒してこよう!」


 意気揚々と雹が吹き荒れる外に出ていこうとするバカを引き止めると、再び耳に口を近づけて。


「殴っても届かないでしょバカタレが。才能を使うのよ、才能を」

「我の才能でどうするというのかね? 一度命令が聞いたところで、すぐに背かれるさ」


 自分の才能が最強じゃないこと分かってんじゃねえか、とツッコミたくなる気持ちをぐっと抑え、私は作戦を伝えた。


「ノートンの才能は効力だけ見たら圧倒的に強いのよ。ただ、それが効きにくかったり効いても解除されやすいことが問題なのよね。だから、命令に制限を設ければいいのよ。今から1時間なになにせよってね」


 私に才能を少し煽てられ、強化する方法を教えてもらったナルシスト皇帝は、自信満々に胸を張り小屋の扉を開けた。


「そんなに我の威光を見たいと望むなら、見せてやろうではないか!」

「はいはい、さっさとやってね」


 ノートンは小屋から出ると、敵の女性の方を真っ直ぐに向いた。

 私も顔だけ小屋から出し、才能の効き目を確かめることにした。


 女性の上空には、さきほど竜巻で巻き上げられたアークライトが真っ直ぐ落下しており、拳を握っていた。


「無駄と存じます。マイクロバースト」


 女性はアークライトを見ることも無く、腕をかざして強烈な下降気流を引き起こした。


 マイクロバーストにより地面に叩きつけられたアークライトのもとにアンリが駆け寄る中、突風に耐えるノートンが才能を行使した。


「勅令である! そこの女性よ、いまから1時間……」


 そうだ、それでいい!

 あとは才能の行使を禁ずれば……!


「今から1時間、我に惚れよ!」


 は?


 ノートンに命じられた女性は、気候を操るのをやめ、ゆっくりと高度を下げていった。


 そして地面に降り立つと、ノートンの元まで駆け寄り抱きしめると。


「私は……私は、あなた事が好きと存じます……」


 顔を真っ赤にして照れながら、彼女はノートンの胸に顔をうずめた。


 …………私は一体何を見させられているんだ?

 確かに、才能の行使は禁じたが、これに意味はあるのか?


 私は抱きつき合うアホ2人から離れ、墜落したアークライトのもとに歩いていった。


 アークライト以外は死んでないみたいだけど、こいつはさすがに無理かな……。


 私がクレーターの元までよると、アンリに治療されるアークライトがいた。


「おっ、ガウディじゃねえか。墜落する寸前に綿糸でクッションを作ったからギリギリ耐えたぜ。それより、敵の才能は切れたみたいだけど、どうなったんだ?」


 圧縮された綿糸の塊を指さしながら、アークライトが聞いてきた。


「いや……よく分かんない決着だよ。まあ、見てみればわかるよ」


 私の答えに首を傾げるアークライトに、アンリが治療しながら尋ねた。


「ねえねえ、ずっと聞いてるけど、落ちた時どのくらい気持ち良……じゃなくて痛かった? ねえ教えてよー」


 ドMらしさを前回にするアンリの腕を払ったアークライトが、クレーターから這い上がって抱き合うノートン達を見つめて……。


「アイツら一体何してんだ?」

「私に言われても……」

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