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偉人たちの輪廻転生スクールライフ  作者: みらい
2章 生徒たちの質実剛健スタディーライフ
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49話 鉄

 潔く陣地を飛び出し、あてもなくフィールドを歩いて十分近く。

 私とヒトラーは他のクラスメイトからはぐれて無為に歩き続けていた。


 地図もなく、自分たちがどこに向かえばいいのかも分からず、4キロメートル四方という広大な空間を散歩していた。


「結構広いんだねぇ。これなら敵ともすぐには遭遇しないかな」

「遭遇しても撃退してやりましょう!」


 ヒトラーがシュッシュッと拳を放ちながら、私のあとをついてくる。


 撃退するといっても、攻撃手段の持たないヒトラーと、近距離線しか出来ない私では厳しいと思うのだが……。


 私は敵に遭遇しないことを祈りつつ森の中を歩き、二人の男が茂みの中から急に目の前に現れた。


 相手側も急な接敵に驚いたようで、一瞬動きが止まった。


 ここは逃げるべきか?

 いや、ヒトラーの掌握術で相手の偉人と才能を見抜いてもらおう。

 それまでは、私が時間稼ぎをすれば……!


 私はヒトラーの方をチラリと見て、気持ちよさそうに眠る姿を見て絶望した。


 どうしていつもヒトラーは、寝て欲しくない状況で寝てしまうんだ!


 私はヒトラーを庇いながら2人の前に立ち、身構えた。


「やっと敵さんにあたったか。さっさと倒しちまおうぜ」


 黒髪の男が眼鏡の男にそう言うと、眼鏡の男は頷いて。


 前に突き出した右手に鉄剣が現れたかと思うと、全身が鋼鉄の鎧に包まれた。


「なっ!」


 一瞬にして変身した敵に驚いた私は、すぐさま斬りかかってきた敵から後ろに飛んでそれを躱した。


 ふぅ……。

 一人は鉄か鎧に関する偉人か。


 もう一人の男は何もしてこないし、攻撃手段を持っていないのかも知れない。

 鎧の男だけなら、近接攻撃しかしないだろうし、私だけでも何とかなるかもしれないな。


 私も同じく手に鉄剣を建築すると、剣道の本で読んだとおりに構え、敵を見据えた。


 私が鉄剣を生み出したことに若干の驚きを見せる鎧男。


「私もアンタと似たような才能を持ってんのよ。さあ、斬り合おうじゃない?」


 私は微笑みながらそう告げると、強く踏み出して鎧の隙間、首元に突きを入れた。


 しかし、捉えたと思った私の剣は、鎧男が顕現させた鉄の盾によって弾かれた。


 なるほど……鉄または装備に関する偉人か。

 鉄に関する偉人の方が多いし、おそらく前者だろう。


 そして才能は、鉄製品を生み出せるといった感じだろうか。


 私はおおよそのあたりをつけると、再び身構えて。


 膝がガクンと揺れた。


 驚く私の体が、鎧男の方に引き寄せられていた。


 これがもう一人の敵の才能か?

 引力? 誘導?


 考える間もなく鎧男との距離は縮まり、敵が斬りかかってきた。


 私は敵と自分との間にコンクリート壁を建築し、それを防いだ。


 こちらは動けないヒトラーを連れ、謎の引力により逃げることも出来ない。


 なかなか不利な状況じゃないか。

 燃えてきた!


 私は敵の引力に耐えながら、次の策を考えた。

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