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偉人たちの輪廻転生スクールライフ  作者: みらい
第1章 問題児たちの波乱万丈スクールライフ
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5話 行方不明の教師の威厳

面白ければ感想などよろしくお願いします!

 校舎の再建築に時間を費やし、体力測定に参加できなかった私は、疲れた体で昼休憩を迎えていた。


 築5分の新築校舎、その綺麗になった教室で、私とヒトラーは一緒にお弁当を食べていた。


「それにしても、災難でしたね」

 ヒトラーがサラダを頬張りながら、私に言ってきた。


「ホントそれだよ。なんで私だけ放課後にやらなきゃなんないのさ」


 そう、私とノーベルは体力測定に参加できなかったため、他のクラスで参加できなかった人と一緒にやり直すそうだ。


 私は愚痴を零しながらヒトラーと昼ごはんを食べていると、ヒトラーの弁当箱の中には、野菜しか入っていないことに気がついた。


 確か、史実のヒトラーはベジタリアンだったと言われている。

 まさかヒトラーに成り代わった彼女が、史実のヒトラーそのものになろうとしているのでは……?


 不安に思った私は、美味しそうにサラダを食べるヒトラーに尋ねた。


「ねぇ、ヒトラー。その……野菜しか食べてないみたいだけど、その……何か理由はあるの……?」


 私の不安をよそに、ヒトラーが屈託のない笑顔で答えた。


「あ、ヒトラーってベジタリアンだったらしいじゃないですか? だから私も真似して見てるんです。健康的だし、ダイエットにもなっていいかなって思いまして!」


「……………………」

 私は無言で、ヒトラーの口元に私の唐揚げを押し付けた。


「あっあっ、やっ、止めてください! んむっ!?」


 ヒトラーに無理やり唐揚げを食べさせて満足した私は、私の残りの弁当の中身をかき込んだ。


 ヒトラーもジト目で私を見ながら弁当を食べ終わると、次の時間の準備を始めた。


 そこに、ノイマン先生から校舎を爆破させた事に説教を喰らっていたクソ爆弾が帰ってきた。


 あれだけのことをやらかしておいて、これほど早く戻ってこれるとは、なぜだろうか。

 私が疑問に思っていると、目が合ったクソ爆弾が私に。


「いやー、怒ってる先生可愛かったなぁ……。でさぁ、ちょっと聞いてよ。腹減って昼飯食いたいから、説教の続きはまた今度にしてくれない? って聞いたら、『私もお腹減ってるの我慢してるんです!』ってお腹の音を大きく鳴らしながら言われてさ。いやー、恥ずかしくて涙目になってた先生も可愛かったなぁ……ちょっとトイレ行ってこようかな」


 幸せそうな顔でどうしようもないクソ発言ばかりするクソ爆弾に、私は尋ねた。


「それで、昼ご飯を食べるために戻ってきたの?」

 すると、クソ爆弾からは予想の斜め上の答えが返ってきた。


「いや、違うよ。ダイナマイトをチラつかせて、これ以上説教するようならコレを爆破させちゃうよーって言ったら、涙目で帰っていいよって言われたんだ。いやー、怯えて涙目の先生、可愛かったなぁ……」


 うわぁ……マジかこいつ……。

 私は、このどうしようもない人間を、檻の中に閉じ込めておくべきだろうかと悩んでいると、校内放送が流れてきた。


『1年2組のノーベル殿、君に説教をするでありますよ。今すぐ生徒指導室に来るであります。私、舩坂弘は不死でありますゆえ、脅しは意味をなさないでありますよ』


 スピーカーから船坂先生の声が聞こえて来ると同時、捕まってたまるかとばかりにノーベルが走って逃げ出した。



 ──昼休憩が終わり、午後の授業が始まった。


「それでは、この時間はこの学園のテストについてお話します」

 ノイマン先生が目尻を赤くしたまま、授業を始めた。

 因みに、クソ爆弾は船坂先生に捕まり、絶賛説教中だ。


 この分では放課後まで怒られるだろう。

 つまり、放課後の居残り身体測定は私だけで行えることになった。


 先生が説明のため口を開こうとした途端、誰かのお腹の音が鳴った。

 鳴ると同時に、先生が顔を耳まで赤くして俯いた。


 先生のお腹の音か……。

 まさか、クソ爆弾のせいでまだ昼ごはん食べられてないのだろうか……。


 羞恥ゆえか暫く震えていたが、気を取り直したのか咳払いをした先生が、再び口を開いた。


「こ、この学園のテストには、筆記試験と実技試験の2つががあります。筆記試験は皆さんが中学校までやってきたものと同じです。実技試験とは……仮想空間で才能を駆使して他クラスの偉人と戦ってもらいます!」


 そして再びお腹の音が鳴る。

 紅潮した顔を両手で覆った先生が、震え声で続ける。


「こっ、この仮想空間のシステムは、技術のエジソン先生が作ってくださいました! 仮想空間なので、中で怪我したり死んだりしても、現実世界にはなんの影響もありません!」


 恥ずかしさを隠すためか、大声で捲し立てる。

 そして再びお腹の音。


 両手で顔を覆い俯いて、先生の肩が震えだした。

 ノーベルのように茶化す奴がいないのが、先生にとってせめてもの救いなのだろう。


「こっ、こここ、この学園には校舎が5つありますよね? それは、実技試験がクラス対抗なため、各クラスが情報を秘匿するためなんです! 各クラスごとに1つずつの校舎、教師用の校舎とで5つの校舎があるのはそういう理由からなんです!」


 みんなの視線に耐えきれなくなったのか、遂に私たちに背を向けて話し出したノイマン先生。


 しかし……校舎が5つあったのはそういう理由だったのか。

 私がこの校舎を再建築する際に貰った設計図には、3学年分の教室に加え、各特別教室しかなかった理由が今分かった。


 各校舎ごとに特別教室を作るほど、実技試験においては、情報の秘匿が重要事項なのだろう。


 お腹の音が鳴ると同時に、再び先生が喋り出す。

 お、今度のはかなり大きいな。


「そっ、そそ、それでっ! この学園は一年に4回テストを行いますっ! 1回目は陣地防衛バトルとなりますっ! そこで、クラスの大将を決めたいんですが……立候補者は居ませんかっ!?」


 テストについての一通りの説明を終えた先生が、陣地防衛バトルの大将を決めるよう言ってきた。


 ちなみに今先生は、窓を開けて廊下で話している。

 そこまで恥ずかしがることじゃないと思うけれど……。


 先生が立候補者を応募すると、1人の生徒が立ち上がった。

「ここはぜひ、このノートンに!」

「ノートン君ありがとうございます。他に立候補者は居ませんか?」


 やはりノートンが立候補したか……。

 彼が大将でも構わないのだが、このクラスにはもっと大将らしい子が……。


「先生、私もやりたいです! やっぱりノートン君には荷が重いと思います!」


 大きな胸を揺らしながら手を挙げて立ち上がったのは、長い金髪を三つ編みでお下げにしたメガネを掛けた女の子。


 彼女はジャンヌ・ダルク。

 立候補と同時にノートンをディスったが、彼は胸にばかり目がいって気にしていないようだ。


 それより、ノートンを含めたクラスの男子は、ジャンヌの揺れる巨乳に視線が釘付けになっている。


 …………これだから巨乳は嫌いなんだよ。

【偉人紹介5 ジョン・フォン・ノイマン】

〈作中〉

頭から2本の角を生やした、銀髪の女性。

お尻からは悪魔のしっぽも生えているが、本人は恥ずかしいため隠している。

黒タイツに黒のタイトスカート、白シャツに黒のスーツとまるでAVに出てきそうな服装の女教師。

ガウディより貧乳。


〈才能〉

超人的な記憶力と演算能力を得て、未来予測に近い力となる。

スーパーコンピュータ並の計算力なので、仕事でもパソコンに演算させずに自分ですることが多い。

作中ではあまり使われることは無いが、実用性はかなり高い。


〈史実〉1903~1957

アインシュタインすらも認めた天才。

ハンガリー出身のアメリカの数学者。

人類史上最高のIQを誇り、その値は300。

悪魔の頭脳を持つとも、人間のフリをした悪魔、とも言われた。

数学だけでなく、経済学や心理学など、数多くの分野に影響を与えた。


「神は恐らく存在するでしょう。多くの事が、神が居ないと仮定した時よりも、居ると仮定した時の方が簡単に説明がつきやすいのでね」

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