42話 間もなくゴールデンウィーク
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アンリがエジソン先生から動く三角木馬を貰った日。
寮に戻った私はお風呂に入っていた。
今日も疲れたなあ……特にアンリのせいで。
私は浴槽の中で疲れをとりながら、寛いでいた。
私が頑張って胸を寄せて谷間を作っていると、体を洗っていたヒトラーとアンリがお風呂に入ってきた。
「いやー、エジソン先生に作ってもらった赤兎、めっちゃ走るのが早いんだよねー。寮の周りを走ってきたけど、赤兎の脚が早くて通行人がみんなびっくりしてたよ」
「三角木馬に乗って走り回る奴がいたから驚いたんでしょ。恥ずかしいからやめなよ、通報されるよ」
相変わらず頭のおかしいアンリが、くだらないことを暴露してくる。
「あ、そういえばさー。みんな小学生の頃はプールやお風呂でおしっこしなかった?」
若干ワクワクした顔のアンリが、広い浴槽内を泳ぎながら私とヒトラーに聞いてきた。
…………。
「ヒトラー、今すぐ浴槽から出るよ! アンリが漏らした!」
「えっ? アンリさんお風呂でうんこしたんですか!?」
「違うよヒトラー、おしっこだよ! 早く出るよ!」
「ねぇ待って、漏らしたなんて言ってないじゃん! 早とちりしないでくれる!?」
浴槽から出ようとする私の足に、アンリがしがみついてくる。
「じゃあアンリ、本当に漏らしてないの?」
私はゆっくりと浴槽に浸かり、少し反省しながらアンリに尋ねた。
「いや…………ちょっとだけ……」
私はヒトラーを連れて急いで浴槽から出た。
私はシャワーで一通り自分とヒトラーの体を流すと、タオルを巻いて脱衣所に向かった。
「ねぇ待って! 誤解だってば! 本当にちょっとだけだから!」
そのちょっとだけでも嫌なんだよ。
お風呂で漏らすなんて、アンリが言った通り小学生か。
ぎゃあぎゃあ騒ぎ続けるアンリを他所に、脱衣場でパジャマを着ていた私たちは、脱衣場に入ってきた沖田さんと目が合った。
「……今度はなんの騒ぎだ?」
「こんかいは私は関係ないからね。アンリが浴槽で盛大に漏らしただけだよ」
「ねぇだからほんのチョビっとだけだってばぁ! ガウディって時々人の話聞かないけどなんで!?」
沖田さんは痛む頭を抑えるようにしながら、脱衣場から出ていった。
このクラスにはアンリという問題児がいるせいで、真面目な沖田さんや私は大変だな。
人に迷惑をかけている連中は、その人の気持ちを考えたらどうだ。
少しは私を見習えよ。
パジャマに着替え終えた私に、同じく着替え終えたヒトラーがドライヤーで髪を乾かしながら私の方を向いた。
「そろそろゴールデンウィークですが、ガウディさんはなにか予定ありますか?」
「私は特に無いけど……なに? デートのお誘い?」
私はヒトラーをからかおうと、ニヤニヤしながら聞き返すと。
「デートしますか? 私はいいですよ?」
笑顔でヒトラーがデートをOKしてくれた。
……めっちゃ可愛い……!
ヒトラー尊い……!
椅子に座る私の隣に腰掛けるヒトラーの頭を撫でながら、私はゴールデンウィークの予定をヒトラーに告げた。
「私はあんまり予定は無いけど、時間があれば実家も近いし戻ろうかなって思ってるよ。ヒトラーは?」
「あのっ、ガウディさんっ、頭を撫でるのはっ。……私も特に予定は無いです。なので一緒に遊びに行きませんか?」
頭を撫でる私の手を退かそうとしながら、ヒトラーが答えた。
「それじゃあ、2人でどこか買い物でも行こうか。人は多いかもしれないけどね」
「いいですね! 楽しみです!」
「ねぇ私も行っていい!? 私もゴールデンウィーク暇なんだよね!」
遊ぶ約束をした私たちに、おもらしアンリがお風呂から出てきて叫んで尋ねてくる。
「それじゃあ、2人で買い物にでも行こうか。人は多いかもしれないけどね」
「いいですね! 楽しみです!」
「ねぇ、なんで無視するの!? ねぇってば! ねぇ、ねぇ!? 先生に言い付けるよ!」
私とヒトラーは、ゴールデンウィークに遊ぶ約束をして脱衣場から出ていった。
建築は光を操ることで、彫刻は光と遊ぶことだ。
(アントニ・ガウディ)




