★41話 発明王
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食堂でご飯を食べ終えた私たちは、アンリに連れられて技術室にやって来ていた。
偉人学園の技術科教授、トーマス・アルバ・エジソン先生が、ここに居るらしい。
「エジソンせんせー。来たよー」
技術室に入り、先生のいる準備室にノックもせずにアンリが入った。
もうかなり仲が良くなっているようだ。
しかし、技術のエジソン先生と、治療のアンリがどうして親密になったのだろうか。
どこで繋がったのか気になるが……。
「失礼しまーす。2組のガウディとヒトラーです」
私とヒトラーも、アンリに続いて準備室に入った。
準備室入ると、頭が豆電球の男性が椅子に座っていた。
あー、この先生はノーベルと同じく、偉人になって頭が発明品に変化したのか。
「よく来たね、アンリくん。後ろの2人はお友達かな? まあみんなかけたまえ」
「あっ、どうも」
私は頭を下げて、先生に与えられた椅子に座った。
ノーベルもそうだが、なぜ頭が物になって口が無くなっても喋ることができるのだろうか。
これも一種の才能だろうか。
「君たち2人は初めましてだね。私はトーマス・エジソン。発明王と呼ばれた偉人だよ」
背広を着て腰掛けている先生は、コーヒーを飲みながら挨拶をした。
だからそれはどうやって飲んでるんだよ……。
ノーベルも毎日ご飯食べてるとこ見てるけど、何故か口の辺りで食べ物が消えてるんだよ……。
私の目がおかしいのだろうか?
後でアンリに診てもらおう。
「私の才能は『創る』というものだ。新たな物を発明し、それを一瞬で作ることができるんだよ」
エジソン先生は、才能を実演するように手元に豆電球を作り出した。
私と似たような才能だろうか。
「ただ、他の誰かが発明し既に存在しているものは作れなくてね。オリジナルのものしか作れないんだよ」
先生はそう言うと、豆電球をつついた。
つつかれた豆電球は、ひとりでに動き出し……。
『今日は来客が多いねぇ! なんだか光りたくなってきたよ!』
喋った。
そして光った。
「このように、『喋る豆電球』といった感じなら作れてね」
先生が豆電球を可愛がるように撫でると、それはどこかへ飛んでいった。
「私はエジソン先生に作って欲しいものがあってね、先生の才能は作るものかなーって感じで、ノイマン先生に連絡して貰ったんだよね。ガウディが作ってくれなかったからさー」
アンリは照れくさそうに頬を掻きながら言った。
私が作らなかったもの……?
アンリに頼まれて私が作らなかったものを、エジソン先生に作って貰うということは……。
「それじゃあ、アンリくん。これが注文の品だよ」
エジソン先生が手を突き出すと、そこに三角木馬が現れた。
うわぁ……やっぱりそれかぁ……。
何となく嫌な予感がしてたんだよなぁ……。
ヒトラーが目を丸くして驚き、私が頭を抱えて呆れた。
アンリがそれに乗り、三角木馬の頭を撫でると……。
三角木馬がいなないた。
「ふおぉぉぉおぉおお! あぁっ、やばいぃぃ! いいぃぃぃぃいぃぃぃぃっっっ!!!」
体がビクつきながら三角木馬にしがみつき紅潮するアンリに、いななくせいで尖った部分がかなり食いこんでいく。
うわぁ……痛そ……。
見ている私まで恥ずかしくなるなか、アンリがどんどんヒートアップしていく。
「んあっ、あぁ……! ッッ!! んっ……!」
アンリの興奮度が上がるにつれて三角木馬も興奮したのか、遂に走り出してどこかに行ってしまった。
「……アンリくんはいつもあんな感じなのかね……?」
「いつもあんな感じです……」
「君たちも大変だね……」
「大変ですよ……」
私とエジソン先生が苦労を共感し、ヒトラーが昼寝をしているなか、暴れ馬に乗るアンリがどこかで叫んだ。
「はぁっ、はぁっ! 今日から私の愛騎ね! あなたの名前はあああああっ! 名前は赤兎ねぇぇぇっ!!」
そんなものに呂布の愛馬の名前をつけるアンリ。
もう怒られてしまえ。
【偉人紹介16 トーマス・アルバ・エジソン】
〈作中〉
偉人学園技術科教授。
頭が豆電球になっており、感情が昂ると光るようになっている。
偉人学園で少数派の常識人であり、才能が便利なこともありほかの先生にも慕われている。
〈才能〉
完全オリジナルな望んだものを、一瞬で作り出すことが出来る才能。
既存の製品は作れず、何かアレンジを加えなければならない。
サイズなどに制限はなく、極論未来都市を一発で生み出すこともできる。
〈史実〉1847~1931
アメリカの発明家、起業家。
発明王や訴訟王、メロンパークの魔術師などの異名を持つ。
最終学歴が小学校中退にも関わらず、独学を続け多くの発明品を残した偉大な人物。
電話機や蓄音機、白熱電球、発電機、トースターなどを発明したが、ノーベル賞を受賞することはなかった。




