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偉人たちの輪廻転生スクールライフ  作者: みらい
2章 生徒たちの質実剛健スタディーライフ
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38話 再挑戦

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 沖田さんによって一瞬にしてHPが0まで削り取られたノートンは、光の粒子となって仮想空間から消え去った。


 ノートンが消えたことにより、村人たちを支配していた才能の効力が切れ、彼らはバラバラに解散していった。


 無理やり連れてこられて気がつけば知らない土地だとは、これがNPCでなければ目も当てられない状況だったであろう。


 私とラミレスに沖田さんが合流し、村人たちとは別れて3人だけで魔王城を目指すことになった。


「お前たちは災難だったな。俺が来なければどうなっていたか」


 私が建築した濡れタオルで身体中の白いネバネバを取り除きながら、沖田さんが言った。


「ほんとに来てくれて助かったよ。ラミレスのせいで危うく裸にされるところだったからね」

「ガウディさんがそれ言いますの!? 私がガウディさんに脱がされそうになってんですのよ!」


 ラミレスが訳の分からないことを抗議してくるが、私は無視して孫の手を建築し背中の痒いところを掻き始めた。


「ちょっと聞いてますの!? 背中を搔くのやめて下さいます!? ……ガウディさんって変態さんですのね! 見損ないましたわ!」


 …………。

 私は耳栓を建築し、自分の耳に入れた。

 これで煽ってくる喧しいラミレスの叫び声も聞かなくて済む。


 ラミレスは車椅子に座り、口をパクパクさせて何かを叫んでいるが、私には何も聞こえない。


 そんな私に呆れ顔の沖田さんが近づき、肩をつついてきた。

 私は耳栓を外し耳を貸した。


「本当に便利だな、ガウディのその才能は。三大建築家には入っていないがなかなか強いじゃないか。その才能で魔王城まで移動するために自転車でも建築してみてはどうだ?」


 胸の下で手を組み、私を褒める沖田さん。

 そりゃあもちろん、私は偉大な建築家ですから……三大建築家に入ってないだと?


「ちょっとまってよ沖田さん。確かに三大建築家には入ってないけど、建築家の中では私が最も有名でしょ? 私が設計したサグラダ・ファミリアは完成前なのに世界遺産なんだよ? 世界三大美女だって一番の美女とは限らないし、世界三大珍味だってより美味しい食べ物があるし。私が三大建築家に入ってないからって下に見るのはやめてくれるかなおっぱい星人」


「おっぱい星人とはなんだ。ただ大きいだけじゃないか。あっても肩がこるだけだし、あげれるなら俺もあげたいよ」


 こめかみをヒクつせながら早口で捲したてる私に、再び胸を強調する沖田さんが煽ってくる。

 どうしてみんなそんなに私を煽るのだろうか。

 私が何かしただろうか。


「まあいいよ。優しい私は移動手段を建築してあげるよ。でも、ラミレスはたぶん自転車漕げないから、これでいいよね?」


 私は2人乗りの人力車を建築すると、ラミレスを運んで2人で乗った。


「はい、沖田さん引っ張ってー」

「沖田さんお願いしますわ」

「なぜ俺なんだ。ジャンケンで決めればいいではないか」


 不服そうな顔の沖田さんが、私たちのお願いを却下した。


 不機嫌そうな顔で拗ねる沖田さんに、私は座席でふんぞり返って言った。


「だって沖田さんって才能で早く動けるんでしょ? 高速移動みたいなやつ」

「それって本当ですの? どうやってるんですの?」


 沖田さんは自分だけが高速移動できるためこの役割なのだとやっと理解したのか、渋々といった表情で支木を持ち上げた。


「俺の才能はスローの世界で過ごせるというものだ。俺から見れば周りがスローだが、周りから見れば俺が速く見えるだけのことだ。簡単に言うとそんな感じだ」


 沖田さんは人力車を引っ張って軽く走りながら言った。


「それではそろそろ才能を使って走るぞ。しっかりと捕まっておけ」


 私とラミレスが手すりに縋ると、沖田さんが車以上の速さで走り始めた。


 私たちを襲う暴風を避けるために、私は風避けを建築した。


 これは速いぞ。

 忠敬と同じくらいの速さだ。


 周りの景色を置いていく沖田さんは、もはや戦闘機だった。


 いざ、今度こそ倒すために魔王城へ!

尊敬されるには、尊敬に値するだけでは不十分である。


(アルフレッド・ノーベル)

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