36話 仲間割れ
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ラミレスとノートンと合流した私は、初めに訪れた街の住人を連れて魔王城への道を歩いていた。
ノートンと合流してから数日。
私たちはひたすら歩き続けていた。
道中に現れる魔物は、勇士たちが竹槍で倒していくため私のレベルはまだ1のままだ。
ノートンやラミレスも同じだろう。
未だに体調の悪いラミレスを車椅子に乗せ、私はノートンと並んで歩いていた。
「もうだいぶ歩いてきたねぇ。道中にある魔物の町を襲って食糧を集めて行軍するのも何とかなるもんだね」
「この行軍の仕方は我も大賛成なり。NPCの村人を服従させれば簡単に食料が集まるなり」
私が発案しノートンが実行させたこの方法は、NPC100人分の食料が少なくなってきたことで行われることになった。
人数が多ければ多いほど日数もかかり必要な食事量も増える。
これなら半分くらいの人数でよかったかもしれない。
私とノートンがこの作戦の素晴らしさを実感していると、車椅子のラミレスが私の方を振り向いて言ってきた。
「私はこの方法にに反対ですわ。食料を盗むだけでなく、金銀財宝まで盗んでるじゃないですの」
ラミレスはジト目で私を睨んでくるが……。
金銀財宝って私の腰にぶら下げている魔剣も含まれるのだろうか……。
魔物の集団と交戦した時に、魔剣をあげるからこれだけは、って言われて貰ったものたのだが……。
「これじゃあ略奪者ですわ!? 私たちの方が悪者じゃないですの!」
拳を握って抗議してくるラミレスを、私とノートンは見つめて……。
「それじゃあラミレスはここから別行動で。それじゃ」
「勅令である。ラミレスは一人で行動せよ」
「あっ、すみませんですわ。全て指示に従うので運んで欲しいですわ」
借りてきた猫のように大人しくなったラミレスを連れ、私たちはさらに歩き続けた。
そろそろ他の仲間とも合流したいな。
授業が終わる事に寮でヒトラーとアンリにはこの軍隊に合流するよう頼んでいるのだが、なぜか魔物にボコられに行くドMアンリと、街の外で眠っている隙にやられるヒトラーとは、なかなか合流出来ない。
沖田さんや忠敬のという高速移動手段をもつ2人は、レベルを上げつつクエストをこなしているらしい。
この2人には一緒に行動することを拒まれてしまった。
まあ、NPC100人の歩く速さに合わせれば、移動出来る距離が少なくなってしまうから仕方ないかもしれない。
他のクラスメイトもかなり遠い場所に居るらしく、なかなか合流できない。
このままだとラミレスとノートンの二人とともに魔王城につきそうだ。
私は建築した車椅子に乗り、NPCに押させながら考えていた。
車椅子はノートンのぶんも建築し、3人とも座ったまま移動できるようになっている。
ラミレスは何か言いたげな目をしているが、どうせ大したことないことだろう。
今日も移動だけで終わりそうだし、このまま寝とこうかな……。
私はゆっくりと目を閉じ、寝る準備をしていると。
集団の前方にいるNPCが、突如叫んだ。
「魔物の襲撃だ! スライムが現れたぞー!」
先頭にいる完全武装した村人が応戦し、仲間がどんどんそこに集まっていく。
これならすぐに片付くだろう。
私がそう楽観していると、隣のノートンがいきなり立ち上がって先頭に向かった。
一体どうしたのだろう。
ノートンはこれまで一度も戦闘に参加したことは無かった。
私は車椅子の上に立ち、ノートンの挙動を伺った。
「勅令である! NPCは直ちにスライムへの攻撃を取りやめよ! また、スライムはそこにいるガウディとラミレスを襲え! エロ同人のような目に合わせてやるが良い!」
急に才能を使って魔物使いに成り代わった変態皇帝が、村人を遠くに寄せて私たちの方にスライムを向けさせた。
この変態クソ野郎め。
ついに本性を表しやがったな。
私はラミレスを叩き起すと、魔剣を抜き放ちスライムへと向かっていった。
仲間割れ戦闘開始!
人は自分がいる世界に対して、責任を負う必要は無いのです。
(ジョン・フォン・ノイマン)




