34話 状態異常
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入学三日目。
新しい生活にほぼほぼ適応し、楽しい学生生活を送っている頃。
今日も仮想空間になれる授業だ。
この時間の名前はVR訓練。
VR室でRPGの世界へとフルダイブし、魔王を討伐するのだ。
昨日、魔王との戦闘で一撃で倒された私は…………。
初期リスポーン位置の、草原にリスポーンしていた。
「またここからか……」
私は呆然と立ち尽くし、近くの村へと歩き始めた。
確か昨日、ここに行く途中で伊能忠敬と合流したのだ。
建築した竹馬に乗るなどして数分間歩き続け、やっと私は村に到着した。
とりあえず情報収集でもしようか。
でも、魔王城の位置は分かっているし、すぐ向かうとしようか。
私はある程度散策してから旅に出ることにした。
私が町をうろついていると、道端に1人女性が倒れていた。
私がその女性の近くを通りかかると。
「あ、ガウディさんですわね……。うぅ……ラミレスですわ……」
横たわっていたグロリア・ラミレスが話しかけてきた。
「あー……なに……? まだ具合悪いの?」
私はラミレスの元により、しゃがんで答えた。
「この町にスポーンして、昨日からあまり動けていないのですわ……。体が痺れて目眩がして……最悪な状況ですわ……。でしても、昨日よりは少しはマシになってますわ……」
ラミレスはゆっくりと体を起こし地面に座ると、深呼吸をした。
確かに昨日よりかは回復したように見えるが……仮想空間でも、現実の状態が反映されるのだろうか。
授業に無理やり参加させずに、もう保健室で寝かせといてやれよ……。
「ここで会えたのも何かの縁ですし、私も同行させて欲しいですわ……」
ラミレスは苦しそうにしながらも、私にパーティの結成をもちかけてきた。
むぅ……動けないが才能はそこそこ強いラミレスか……。
才能の効力も見ておきたいし、いざという時は身代わりにもできるし……採用しようか。
「いいよ。一緒に行動しようか。いざという時は身代わりよろしくね」
私は半分冗談で、身代わりを要請した。
まあ……半分以上は本気だが。
「わたくしが身代わりになることはありえませんわ……。私はいざとなったら、周りを毒性物質で満たすのでわたくし自身はやられることはありませんわ……。身代わりのされるのはガウディさんの方ですわ……」
ラミレスは勝ち誇った笑みを浮かべ、私に身代わりになれと言ってきた。
そうか、そっちがその気なら。
「そ。じゃあパーティは解散で。それじゃ」
私は街の外へと向かって歩き出した。
「ちょっ、ちょ! 待って欲しいですわ! いざという時は私が身代わりになるので連れて行って欲しいですわ!」
私の背中に向けて、ラミレスが焦った声で叫んでくる。
今、身代わりになるって言ったよね?
「身代わりになってくれるんならいいよ。それじゃ、パーティ組むから3回まわってワンって鳴いて」
私がそう言うと、ラミレスは恥ずかしそうに真っ赤な顔で地べたを3回まわった。
「わ、ワンですわ……」
「はー面白かった。よし、それじゃこれに乗っていこうか」
私はベビーカーを建築し、ラミレスにそこに乗るよう命じた。
「先程からバカにしすぎですわ、ガウディさん! 私を怒らせるとどうなるか、見せてやりますわ!」
ラミレスは突然切れて叫びだし、口から白い煙を吹き出した。
「なにこれ唾!? 汚っ!」
「唾じゃないですわ! 痺れ効果のある毒性物質ですわ!」
ラミレスがそう言う煙が私の顔元までくると、私はそれを吸ってしまった。
「あ……やばいかも……体が動かない……!」
私の体はだんだんと痺れてきて、仕舞いには全く動けなくなった。
そして私の目の前には、同じく動けなくなったラミレス。
私たちアホ2人は、その日の授業が終わるまで、ずっとそこで動けないでいた。
一度だけの人生。
それが、私たちの持つ人生すべてです。
(ジャンヌ・ダルク)




