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偉人たちの輪廻転生スクールライフ  作者: みらい
2章 生徒たちの質実剛健スタディーライフ
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28話 魔王城

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「さて、それじゃあ、近くの村にでも寄ってみようなり」


 ここ周辺の地図を、縮小度別に複数枚生成し終えた忠敬か、それらを折りたたんでポケットにしまいながら私に提案してきた。


 それも悪くない。

 悪くは無いのだが……。


「ねぇちょっと待って。もしかしたら、めっちゃいい方法思いついたかも知んない」


 私は顎に手を当てて思考することに全神経を集中させた。


 私の結論を待つ忠敬を他所に、私は考察を続けた。


 そうか……ここがこうなってて……だったら……私が才能で……こうすれば……。


 私は忠敬から奪い取った地図を指で辿りながら、このゲームをクリアするための最適解を見つけることに成功した。


「いいこと思いついたよ忠敬!」

「それはいったいなんなりか?」


 集中して考えていた私の隣で、先程走り過ぎてつった足をほぐしていた忠敬が、私の方に首を向けた。


「ほら、ここ見てよ、この地図。今私たちがいるところから、魔王城まで同じ大陸なんだよ。海を渡る必要が無いんだよ!」


 私の世紀の大発見に忠敬は驚くことはなく、黙って地図に見入っている。


 世界地図と周辺の地図から、現在地を予測した私は、ある作戦を立てることにした。


「そして更に見て欲しいのが、ここから魔族領まで、山地が無いってこと。つまりずっと平原なんだよ」


 私がここまで説明すると、忠敬はやっと頷いた。


「そこまでは分かるなり。だとすると、魔王城にたどり着くまでに、船が必要にならないってことなりよね?」


 意外と物分りのいい忠敬が、的を射た発言をする。


 全くもってその通りだ。

 RPGで必要になってくる船が、この世界では必須アイテムではないということだ。


「そして私が計算したところ、忠敬の走る速度は毎秒三十メートル。太陽の動きから導き出した、現在地から魔王城までの距離は約40キロメートル。この意味がわかる!?」


 私が暗算で出したデータを、忠敬は聞き終えると。


「まさか……我に魔王城まで走れって言ってるなりか……?」


 震え声の忠敬が、私の作戦をズバリ言い当てた。

 こいつもなかなか頭が回るじゃないか。


「ズバリ正解! 私の計算によると、忠敬が全力で走り続けた場合、約20分で魔王城に辿り着けるのです!」


 私の頭が良すぎる作戦に、さすがの忠敬も脳がフリーズしたのか数秒の間固まった。


「ま、まあ、確かにそれは効率はいいなり。そして、我が20分間全力で走り続けるのも、まだいいなり。だが、ガウディは我の走りに着いて来れないという問題があるなり」


 忠敬は額に汗を垂らしながら、問題点を指摘してくる。


 だが問題ない。

 私は偉大なる建築家のガウディ様だ。

 そのくらいの障壁は易々と超えてみせる。


「その点も問題ないよ。ほらね」


 私は目の前に四輪の台車を建築してみせた。


 枠組みが鉄で、木張りのその台車の荷台に私は座り……。


「まさか……これで運べと言うなりか……?」


「そ♪ お願い♪」


 私は全力で可愛い笑顔を作ってみせると、忠敬に断れないようお願いした。


 忠敬は深い溜息をつきながらも、鉄製の取っ手を握り、渋々と言った顔で地面を踏みしめると……。


 魔王城方面へと向かって走り出した。


「ひゃっほぅ! 早い! 早いよ! 今の私は風よー!」


 上機嫌になった私は、荷台の中で強く叫んだ。


 これぞ秘技、忠敬に魔王城まで運んでもらう作戦!

世の中に新しい創造などない。


あるのは、ただ発見である。


(アントニ・ガウディ)

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