26話 才能で魔王を撃破せよ!
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みんなの視線から逃げるようにしてフルダイブした私は、だだっ広い草原の上に立っていた。
どうやら上手く仮想空間へと入れたようだ。
草原の上に立ち辺りを見回してみると、山々に囲まれた平原に、村のようなものが見えた。
とりあえずあそこに行けばいいのだろうか。
私がスカートの皺を払い歩き出すと、目の前にウィンドが表示された。
『皆さんがフルダイブ出来たようなので、これから説明を始めますね』
ウィンドにスピーカーのマークが表示され、そこから先生の声が聞こえてきた。
どうやら、先生は仮想空間へ来ていないらしい。
それより、仮想空間に入れられる前に説明をして欲しかった。
『今みなさんかいる世界は仮想空間です。その世界はRPGであるような魔王の存在する世界です。皆さんには、才能を用いて魔王を倒して頂きます』
先生が説明を始めると、目の前に別のウィンドが表示され、そこに私自身のステータスが表示された。
どうやら、現実世界での身体能力をもとにステータスが構築されたらしい。
そういえば、昨日のうちに体力測定をやらされたし、それも参考にしたのかもしれない。
昨日のことは疲れるのであまり思い出したくないんだよなぁ……。
私が足元にモアイ像を並列建築して遊んでいると、再びスピーカーから。
『それでは、何かあればこちらから逐一伝えますので、今日の授業中は魔王を倒せるよう努力してくださいね!』
先生が説明し追えると、プツンと通信が切れた。
いや、説明少なすぎでしょ。
もう少しシステムとか説明して欲しかったんだけど……。
買った商品の説明書は必ず読むタイプの私は、先生の説明不足に不満を感じながらも歩き出すことにした。
先生は先程RPGのような世界と言っていた。
また、表示されたステータスにも、レベル1と表示されていた。
つまり、経験値システムがあり、レベルが上がるとステータスが上昇するのだろう。
それなら、まずは雑魚モンスターを狩ることから始めようか。
私は右手に棍棒を建築すると、村のある方向へと歩きながらモンスターを探した。
クソ爆弾に遭遇するのも嫌だし、一人旅でもしようかな。
でもヒトラーやアンリとパーティを組むのはいいかもしれない。
攻撃無効化才能で盾役のヒトラーと、治療才能で回復役のアンリが入れば、私がアタッカーとしてバランスのいいパーティになるだろう。
私はRPGも多少は嗜むので、仮想空間でもこういった体験ができるのは非常に嬉しい。
そういえば、攻撃手段を持たないヒトラーやアンリは大丈夫なのだろうか。
モンスターに囲まれてボコられないだろうか。
私はステータスウィンドを表示させると、自身のHP欄を見てそれが残り40であることを確認した。
レベル1では体力満タン時でもこの値なのだ。
弱い人はすぐに敵にやられてしまうだろう。
私がそう懸念していると、先生からの連絡が入り……。
『皆さんに最初のご報告です。草原でドラゴンに遊ぼうと話しかけたヒトラーが倒されました。ヒトラーは次の休憩までそちらに入れないので、私と一緒に観戦ということになります』
早速当たってしまった。
てか、草原でドラゴンに優しく話しかけるなんてさすがヒトラーだ。
私には到底出来やしない。
しかしそうか……ヒトラーはリスポーンする訳じゃないのか……。
盾役の喪失を嘆きながら、私は村へと歩いた。
私は先のことなど、考えたことがありません。
すぐに来てしまうのですから。
(アルバート・アインシュタイン)




