表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偉人たちの輪廻転生スクールライフ  作者: みらい
2章 生徒たちの質実剛健スタディーライフ
30/74

16話 女子会

ブックマーク、ランキング登録もよろしくお願いします!

 夜の学校に潜入したことで、明日は先生に咎められるかもしれない。

 そこで、風邪をひいて学校を休もうとした私だったのだが……風邪をひきかけたところでアンリに治療されてしまった──。


 ──その後、お風呂から上がった私はというと。


 自室の机の上に教科書を広げ、授業の予習を始めていた。


 明日のことは考えたってしょうがないからね。

 優等生である私は、得意な数学の勉強をすることにした。


 私が教科書を読もうとしたところで、ノックの音がした。

 ここは寮の女子エリアなので、クソ爆弾たち男子が訪ねてくることはない。


「だれー?」


 私が施錠してあるドアの向こうに呼びかけると。


「アンリだよー」


 アンリが応え、再びノックしてきた。


 アンリか……。

 先程は私の風邪をひいてズル休みする計画を邪魔してきたからな……。

 ここは……。


「私、悪いけどもうすぐ寝るからさ。ごめんね」


 教科書を読みながら、それっぽく演技して嘘をついた。

 アンリのことだ。

 どうせ碌でもない用事か、あの変な性癖に付き合わされるだけだろう。


「えぇーまだ寝るには早いよー。せっかくヒトラーもいるのにさぁ……」


 私は迷わずドアの鍵を開けた。


「ねぇ……それはなんか傷つくんだけど……」


 少しだけ開いた扉から、顔だけ出したアンリが睨んできた。

 そしてその後ろには、眠たげな目をしたヒトラーが居た。


「ごめんごめん。ちょっとした意地悪だよ。アンリこういうの好きでしょ?」

 ちょっと罪悪感に包まれた私は苦笑しながら、アンリを揶揄った。


 流石にドMのアンリといえど、今のは嬉しくなかったのだろう……。

 本当に申し訳ないことをしたなと思っていると……。


「いや……正直ちょっとゾクッとした……」


 頬を染めたアンリが、身震いしながら言った。

 私はアンリにドン引きし、部屋から追い出そうかと悩んでいると。


「ガウディさん、今は何していたんですか?」

 パジャマ姿のヒトラーが可愛い笑顔で私に尋ねてきた。


「んと……今は予習してたよ。高校の勉強は難しいらしいからさ」

 私が机の上を指さして答えると。


「ひゃー、やっぱり優等生は違うねぇ。私なら遊んで過ごすのに」

 アンリがハッハッハと笑いながら揶揄ってきた。


「うるさいわね。それで、2人は何しに来たの?」

 床のマットの上に座る2人に、私も腰を下ろして尋ねた。


「なんてことは無いよ。ただ遊びに来たんだよ。なんかガウディの部屋は楽しそうだし」

「どういう意味よ」


 アンリがわたしのベッドに頭からダイブして、顔だけこちらに向けながら言った。


「私はお菓子を持ってきました! ガウディさんもどうですか?」

 ヒトラーが笑顔で、背中の後ろからたくさんのお菓子を出してきた。


 私はそれらを一瞥して……。

「……太るわよ……?」


「あ、大丈夫です! 私はいくら食べても太らなくて……いひゃい!」

 私はヒトラーの頬を引っ張って黙らせた。


 私は高校受験のあいだに……キロ太ったっていうのに!

 春休みで更に……キロ太ったっていうのに!


「いひゃいでひゅ! いひゃいでひゅ! なんでひっぴゃるんでひゅか!?」


 私が引っ張っていた手を離すと、ヒトラーは目に涙を浮かべ、自身の頬を手で抑えてほぐしだした。


「いや、ちょっとね……。アンリ、何よその顔は! 何か言いたいことあんの!?」

 私は、ニヤニヤと見てきていたアンリに突っかかった。


「まぁまぁ、そんなすぐには太らないって。例え体重が増えたとしても、それは胸が成長したってことで…………あっ……」

「何よ! 今なに見て言うのやめたのよ! 言ってみなさいよ!」


 私の断崖絶壁に視線が向いたアンリの頬を、私は引っ張った。


「ちょっ、いひゃっ!」


 痛いとは言いながらも、どこか嬉しそうな顔のアンリから手を離すと、私は。


「それで、本当の要件は何なのよ? ただ私を煽りにに来ただけ?」

 私はヒトラーの隣に腰を下ろし、アンリに尋ねた。


「うんにゃ、タベりに来ただけじゃないよ。1つ、ガウディに頼みたいことって言うかさ……建築して欲しいものがあってさ……」


 アンリが言いにくそうにもじもじしながら、私の方をちらちら見てくる。

 いったい何を建てて欲しいのだろうか。


 いつの間にかウトウトし始め、私の肩に頭を預けたヒトラーを横目に、私はアンリに尋ねた。


「それで、何を建築して欲しいの?」

「えと……三角木馬を……」


「寝るわ」


 私は、ヒトラーと同じように頭を預け合い寝ようと目を瞑った。


「ねぇ待ってよ! お願いだよ! ただ建ててくれるだけでいいんだよ!? なんで建ててくんないのさ!」


 アンリが私の耳元で喚き散らすが、ヒトラーが起きてしまうのでやめて欲しい。


 私は渋々、あまり痛くなさそうな三角木馬を、部屋の真ん中に建築した。


 これでアンリも少しは大人しくなってくれることだろう。


 私が薄目でアンリの様子を眺めていると。


「よっこらセッ○ス。よしっ、乗れた!」


 思春期の男子が使うような下ネタを言いながら、アンリが自力でお馬さんの上に乗っかった。

 乗馬したアンリは、今日一番のホクホク顔で、熱い息を吐いていた。


 ふくくっ。

 今こそ、アンリに絶望を与える時!


「解体っ!」

 私は、アンリが乗ったままの三角木馬を解体した。


 私の才能で建築したものは、私の一存で解体できる。

 これを利用してアンリに不意打ちの攻撃をお見舞してやるのだ。

 私に変なものを建築させた罰として、だ。


 アンリが跨っていた木馬が消滅すると同時に、彼女の体は重力に引っ張られた。


 木馬の首筋を嬉しそうに撫でていたアンリは、突然自身の体重を支えていた物が無くなり、自由落下したことで……。


 足を床に強打した。


「ッっっっ────!!」


 両足の裏を抑え、床をのたうちまわるアンリに、私は勝利の笑みを浮かべた。


「ちょっとぉ、痛いじゃん! 何してくれんのさ! 土踏まずを強打しちゃったんだけど!? 痛いのは好きだけど急過ぎるよ! いったぁ……」


 未だに足を抑えながら、アンリが抗議してきた。

 アンリが叫んだことで、眠っていたヒトラーが起きそうになる。


 私はヒトラーの頭を撫でて寝かしつけ、アンリに嘲笑いながら答えた。


「私に変なものを建築させた罰よね。でもまあ、アンリは痛いの好きだし別にどうってこと…………土踏まずを強打した? それどうやったの?」


 アンリの言ったことが引っかかった私は、嘲笑うことをやめて尋ねた。

 どう足掻こうが地に付かせようのない、土踏まずを強打したと言い張るアンリ。


 アンリの体は……どんな構造をしているのだろうか……。


「ねぇ! もっかい建ててよ! 今度は解体せずにさ!」


 私は、アンリの願いに耳を貸すことなく、ヒトラーと一緒に眠ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ