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偉人たちの輪廻転生スクールライフ  作者: みらい
第1章 問題児たちの波乱万丈スクールライフ
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10話 夜の学校潜入作戦

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 クラスの総意として意見があるらしい伊能忠敬は。

 私の元にノーベルに連れられてきて、仏頂面で自己紹介をした。


「我は伊能忠敬なり」

「私はガウディなり」


 私がつい釣られて返した言葉に、無表情だった忠敬の顔が若干歪んだ気がした。


「それで、要件ってなんなりか?」

「忠敬、あれを出してやるなりよ」


 私やノーベルに語尾をからかわれ、不快感を顕に出した忠敬が、1枚の紙切れを差し出してきた。


「これは……? あっ、これはなんなりか?」


 私は語尾の“なり”をつけ忘れていたことに気付き、急いで訂正した。

 危ない危ない。

 一瞬の気の緩みが大きなミスを犯してしまう所だった。


「それは学校内の地図なり。我の才能で作成したものなり」

「なりなり」


 忠敬の説明の後に、ノーベルが付け加えた一言によって、私は危うく吹き出しそうになった。

 私は口を手で抑え、全力で押さえつけた。


 見れば、言った本人のノーベルすらが、俯いて肩を震わせている。

 頭がダイナマイトなため、表情がなくて分からないが、恐らく笑いそうになっているのを堪えているのだろう。


「それで、……ふふっ……おほん。それで、学校の地図を渡して何をして欲しいなりか?」


 笑いを必死に噛み殺しながら、私はノーベルたちに要件を尋ねた。


「それがさ、今日の放課後の体力測定で、アインシュタインと接触したんでしょ? そこでお互いの才能がバレたと思うんだが……どうなりか?」


 そう答えたノーベルを、こめかみをひくつかせる忠敬が無言で睨み続けている。


 確かに、今日の体力測定でアインの才能情報は手に入れた。

 細かいところまでは分からないが、ワームホールの展開だ。


 そして、私たちが漏らしたであろう情報は……。


 私の建築の才能、アンリの治癒の才能、ついでにアンリの性癖。

 ヒトラーは寝てばかりいたため才能を露呈しなかったが、見た目からヒトラーだとは判断しやすいだろう。。


 アイン1人の才能に対して、我々が漏らした情報は……。

 手に入れた情報に対し、見合わない量だろう……。


「おいおい、まさか沢山漏らしたんじゃないだろうなぁ!? 女の子が漏らしていいのはおしっこだけって相場が決まってらァ! なり!」


 私が思い出しているときの顔から察したのか、ノーベルがそんなセクハラを……。

 おい、今セクハラしやがったな?


 私がノーベルの顔面を思い切り殴り、うずくまらせていると忠敬が。


「こちらだけが情報を漏らしてしまえば、クラス対抗戦で不利になるなり。そこで、なり。今から学校に潜入してきて、他クラスの資料を奪ってきて欲しいなり」


「わかった、今日はもう寝るわ」


 私は忠敬の頼みをバッサリと切り捨て、ヒトラーと一緒に寝る準備を始めた。


 なんで私が夜の学校に潜って、他クラスの資料を盗んでこなきゃならないのさ。

 私が不満で顔を歪めていると、頭のダイナマイトが大幅にめり込んだクソ爆弾が起き上がって言った。


「お前が漏らしたんだろ!? お前の不始末はお前が片付けるべきじゃないのかね!? んぅ〜ん? なり?」


 ウザったらしいクソ爆弾の顔に、もう一度ゲンコツをぶち込んでやりたいが……それを言われてしまってはぐうの音も出ないじゃないか。


 確かに、私が……いや、私たちが情報を他クラスに開示してしまったと言っても過言ではない。

 10人のクラスメイトのうち、3人もの情報を出してしまったのだ。


 つまり、これは私のミスな訳で……。


「でも、ノーベル殿も校舎を爆発させてしまったことで、2組に爆破使いが居ると露呈させてしまったなりよね?」


「あっ」


「それでは、2人で仲良く行ってくるなりよ」


 忠敬により戻ってきた特大ブーメランを受けたクソ爆弾が、小さな声と共に膝から崩れ落ちた。

 そんな私たちに、忠敬が地図を無理矢理押し付け、押し出そうとしている。


「ほ、ほら! クソ爆弾だってやらかしたんだし、アンタだけで行ってきなさいよ!」


 これ以上に無いチャンスだと思い、私はクソ爆弾だけに行かせることにした。

 確かに、他クラスの情報は欲しい。

 だが、自分が取りに行くのは御免だ。


「おいおい、ひょっとして夜の学校が怖いなりか? それに、俺が行っても才能を使って任務遂行が円滑にならないなりよ? その点、お前なら建築を駆使して、巡回中の先生たちの目を欺けるかも知れないなりよ?」


 いい加減、忠敬が可哀想だから語尾をいじるのは止めてあげて、と言いたいところだが。

 クソ爆弾に夜の学校が怖いのか、と挑発されては行かない訳にはいかない。


 確かに、私の才能なら、これは建築だから〜と銘打っておけば、見た目だけだが完全なものを生み出すことが出来る。

 ある意味チート才能だが、性能まで反映されないゆえに、建築して意味のあるものは限られてくるのだが……。


「……んんぅ…………まぁ、分かったよ。確かに私の責任だし、行くだけいってみるよ」


 渋々だが、私は諦めて他クラスの資料を盗みに行くことにした。


 そんな私にクソ爆弾が。


「それはよかったなり! それじゃ、頼んだなりグハッ!?」


 いい加減、語尾を弄られ続けて耐えられなかったのか、忠敬の回し蹴りがクソ爆弾の後頭部に炸裂した。

【偉人紹介10 伊能忠敬】

〈作中〉

ちょんまげでは無いが、散切り頭で和服を着ており、頭を叩けば文明開化の音がしない。

長い裾のせいで歩きにくいと分かっていても、なかなか袴を着替えようとしない。

語尾の“なり”を度々いじられる。

我慢ができなくなれば、才能を用いて回し蹴りをかます。


〈才能〉

周辺の地図を、用意しておいた紙に精密に映し出すことが出来る。

さらに健脚を手に入れ、壁だろうがなんだろうが、猛スピードで駆け抜けれる。

老人にも関わらず、地球一周分を歩いて地図を作った事が才能の由縁。


〈史実〉1745~1818

日本人なら誰でも知っている、江戸時代の商人。

17年かけて日本全国を測量し、『大日本沿海輿地全図』を仲間達が完成させたが、本人は完成前に亡くなった。

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