プロローグ
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私が偉人学園に入学してから、数日が経った。
既にクラスメイトとは全員と仲が良くなった頃、寮の広間にてクラス全員で夜ご飯を食べていた。
「よし! ここは2組の学級委員長である我が、乾杯の音頭を採らせて貰おう! さあ、全員グラスを手に!」
「そんなのいいから早く食べようよ。いただきまーす」
クラス随一のナルシスト、ノートンが立ち上がり高らかに宣言するが、アンリが先にご飯に箸をつけた。
ノートンが目に見えて落ち込み、優しい沖田さんが肩を叩いて慰めるなか、ご飯の美味しさを味わっていた私に、憎きノーベルが近づいてきた。
「いやー、今日の飯は美味いなぁ! いくらでも食べられるぜ! それで、どうだガウディ? 今晩、俺にいただかれないか?」
流れるようなセクハラをしてきたノーベルの顔に鉄拳の跡を埋め付け、私は彼に答えた。
「ジャンヌとアークライトが作ったわりには、美味しいわよね。まあ、誰でもアンタが作ったご飯よりは美味しく作れるからね」
天然ドSなドジっ娘ジャンヌと、チンピラなアークライトが作るご飯なので不安しかなかったが、意外といける。
私が箸を止められないでいると。
隣で黙々と食べていたヒトラーが、こちらに顔を向けた。
「ガウディ、ガウディ、今日のご飯はとっても美味しいです! わたし、生きててよかったです!」
まるでリスのように、口いっぱいにご飯をかき込んだヒトラーが、鼻息荒く言った。
「分かったから落ち着いて。ほら、ほっぺたにご飯粒が付いてるじゃない」
頬にご飯粒を付けたまま食べ続けるヒトラーから、それを取ってあげると。
「ありがとうございます! ご飯美味しいです!」
「うん、分かったから、もう少しゆっくり食べないと喉に詰まるよ?」
心配した私が注意した傍から、ヒトラーがむせて咳をした。
私はヒトラーにお茶を飲ませてあげると、さきほど彼女の頬から取った米粒を、パクリと口に入れた。
すると、それを見ていた変態ノーベルが。
「……なんかご馳走さま」
ノーベルの鳩尾に拳を埋めた私は、再びご飯を食べ始めた。
それにしても……ここでの生活はとても楽しいな……。
学校にも慣れてきたし、クラスメイトはいい人ばかりだし……ノーベルは除いて。
私は、こんな楽しい学校に来れたことを神に感謝しながら、口を動かしていた。
この素晴らしい日常が、ずっとずっと続きますように──
「なぁ、なんで急に鳩尾を殴るんだよ! めっちゃ痛いじゃん! なに? もしかしてSMプレイでもしたいの? 別にいいけど、次は俺がSでいい?」
私はノーベルの言葉に耳を傾けず、もう少しだけ日常がよくなることを願った──