表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虫と女神と異世界転生  作者: 木原 柳
1/9

プロローグ

はじめまして

初めての作品です読みにくい稚拙な文かもしれませんがよろしくお願いします。

虫の羽音が蛍光灯の周りを賑やかにさせるのを女が嫌悪の目で見ていた。気持ち悪いと口には出さないが心の中で毒づく。


夏の夜はこれだから嫌いだ、と思い家路を急ぐ。


不意に頭を殴られたような衝撃で動けなくなった。誰かに殴られたと辺りを見回すも誰もいない。次第に息苦しくなり段々と目の前が真っ白になる。


「気持ち悪い」声にならない声が絞り出された。 


道に倒れ込んだ。倒れた身体に虫がたかっているような気がして払おうとするも力が入らず動けない。そのまま女こと岡恵美は息を引きとった。


彼女の身体に虫の羽音だけが降り注ぐ。

夜の闇にスーツ姿の女の死体。住宅街に似つかわしく無いその光景はまだ誰も気付かない。




─────────────────────────────


誰かに引っ張られた気がした。

ハッとして目を開ける、やばい遅刻だ。そんな風に思いながら恵美が目を開けるとそこには現実味の無い四面とも真っ白な部屋にいた。


「ここは?」

思わず口にするも声に違和感がある。

身体を動かそうにも動かせない。いや、動かせる身体が無い。ならば自分は何処から声を出したのか?そんな疑問とともに声が聞こえてくる。


「はじめまして。

岡恵美さん、上野と申します。」

と若い男の声が聞こえる。


「誰!?」そう答えた。

どこから声が出ているの、と場違いな思考と恐怖感で恵美は混乱していた。上野がそんな恵美の思考を遮り口を開く。


「すいません先程の言葉は正確ではありませんでしたね、やり直しさせてください。

はじめまして。昨日死んだ岡恵美さん。上野と申します。」

ニコリと言う擬音が聞こえる程の嫌味な笑顔で上野が話す。


「えっ?何を…」そう口に出そうとするも思わず考えこんでしまう。

そういえばと記憶を探ると不意に襲ってきた痛みを思い出した。それと同時に身体から力が抜ける感覚。あれが魂が抜ける感覚かと恵美は思う。

そして、目の前にいる男性に恐怖を覚えた。目の前にいる私をゴミとしか思っていないそんな気持ちにさせられたのだ。


恵美が固まっていると、

「混乱しているのでしょうか?ですがこれは現実ですので。」

と上野が言う。この男が口を開く度正直恐怖が積み重なってくる。


「あ、あの…私は死んだのに何故…」

生きているの?その言葉を飲み込んだ。確かに自分は存在しているかもしれ無いが言葉を発する身体の無い存在それを生きていると言っていいのか?そんな疑問が恵美の中で渦巻いた。 


そんな恵美の様子を見て上野が言葉を発する。

「ここは私の遊び場、私に選ばれた魂が選択する場所、岡さんあなたは死にましたがチャンスが湧いてきました。このまま記憶を引き継いだまま転生させて差し上げましょう。」

微笑んだまま表情を変えず上野が続けて言葉を紡ぐ、

「または、虫になるかですが」


そんな上野の言葉が恵美を余計に混乱させる。

この男は何を言っているのか、虫とは、遊び場とは意味が分からない。混乱が混乱を生む。


そんな恵美に上野が少し口角を上げ言う。

「質問は許しません、さあ選びなさい。」


選ぶ余地の無い選択は選択では無かった。当然のように転生を選ぶ。

微笑んだまま上野が頷き口を開く。

「素晴らしい選択です。」

大仰に上野が拍手をしながら恵美に詰め寄る。



上野が指を鳴らすと白い部屋が一気に暗くなった。恵美はまだ戸惑ったままだが上野は言葉を発する。

「では転生者の説明へ参りましょう。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ