表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/33

第8話 第一次世界大戦の更なる迷走1

 そして、「サムライー日本海兵隊史」世界において、第一次世界大戦勃発時には、山本権兵衛内閣が健在で、まずは海兵隊が欧州に派遣されるということになるのですが。

 

 調べれば調べる程、第一次世界大戦の巨大さに圧倒され、また、史実の日本が欧州に派兵することに消極的だったのが、何となく私にはわかる気がしました。

 何しろ主戦線では、何十個師団どころか、100個師団以上が対峙しているのです。

 そんなところに派兵するとなると。


 それこそ中小国なら、いわゆる「ショウ・ザ・フラッグ」で、お茶を濁せるでしょうが。

 日本は、当時の大国の端くれとして、本来からすれば、最低10個師団は派遣しないと、いわゆる面子が立たないでしょう。

 かといって、当時の日本の国内の世論は、完全に内向きになっていて、欧州で何万人も死傷者を出すことに消極的になっていました。

 それもあって、大隈重信内閣や寺内正毅内閣は、欧州に艦隊は派遣しましたが、陸軍兵力を送らせずに済ませたのですが。

 その一方で、中国に21か条要求を突き付けたり、シベリア出兵をしたりしています。


 そんなつもりは無い、と幾ら言い募ろうとも、欧米が第一次世界大戦で手一杯の時に、日本はアジアで火事場泥棒を図ろうとしている、また、欧州に送る兵は無い、と言いつつ、シベリアに派兵するとは、という反日感情が、欧米、特に米英仏の国民の間に巻き起こるのは、当然の気が私にはします。

 そんなことから、第一次世界大戦後に、いわゆるヴェルサイユ=ワシントン条約体制ができ、日本は徐々に孤立化していくことになった、と私は思うのです。


 そういったことを考え合わせた末、前々から第一次世界大戦の際に、日本が欧州に派兵することを、私は決めていましたが。

 それこそ開戦早々、日本国民の興奮が冷めやらぬ内に、海兵隊の欧州派遣が発表されたことにし、更に林忠崇元帥が陣頭に立つことで、新聞等のマスコミが欧州派兵反対を言いづらい雰囲気を醸し出すことで、日本は欧州に派兵した事にしました。


 そして、その後、海軍航空隊を派遣し、艦隊を派遣し、と日本海軍は欧州にのめり込むことになり、更に性質の悪いことに、日本陸軍まで欧州に士官、下士官が赴くという事態に、「サムライー日本海兵隊史」世界はなっていくのです。

(全くの作者の暴走ですが。

 本編第3部における日本陸軍が欧州派兵を決断した際の描写は、史実の坊ノ岬沖海戦における、大和特攻の下手なオマージュに、完全になってしまっています)


 そして、何で陸軍の師団が欧州に赴かなかったのか、陸軍士官、下士官の海兵隊への派遣と言う変則的な描写に作中で何故になったのか、疑問を持たれる方が多々おられると思うので、補足説明すると。


 私なりに何故に、第一次世界大戦の際に、日本の世論が陸海軍の欧州派遣に冷淡だった理由を調べた末、その一端が、当時の徴兵制にあったのではないか、と愚考したからです。

 徴兵制と言うことは、徴兵された場合、否応なしに命令に従って派兵されることになります。

 そして、日本の国益に直接に関わる戦争ならば、世論も派兵しろ、と声高になるでしょうが。

 第一次世界大戦に伴い、日本陸海軍が欧州に派遣されるとなると、日本の国益に直接には関わらない派兵と言うことにならざるを得ません。

(少なくとも短期的な効果は見込めません)


 そうした中、士官や下士官ならば、自分なりに希望してなっていますが、兵となると、徴兵されて軍人になっている訳で。

 更に郷土部隊という制約もあります。

 どこの部隊を派遣するかで、例えば大阪では兵が死ぬのに、東京では兵が死なないという事態が。

 そういったことから、海兵隊に派遣と言う形をとりました。

 ご感想をお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ